アントフィナンシャルが中国賃貸物件プラットホームをローンチ!芝麻信用650以上あれば、デポジット不要でお部屋が借りられる!?

アリペイと芝麻信用の仕組みを組み合わせて、中国の賃貸住宅市場が大きく変わりそうだ。10月10日アントフィナンシャルは、中国初の賃貸物件プラットホームをローンチし、上海、北京、深セン、杭州、南京、成都、西安、鄭州の8つの大都市で合計100万を超える賃貸物件情報を公開。中国賃貸市場が大きく変わるのは間違いない。

 

  • 中国の賃貸住宅市場が大きく変わる。芝麻信用のスコアでデポジット不要で、さらに月極め支払い。

中国で住宅を借りた経験がある人ならば、物件を賃貸することがいかに大変かわかるはずだ。広告に掲載された情報を元にエージェントに出向けば、その物件は既に契約済みと言われ、より高い物件を紹介されるのは当たり前。ようやく契約締結の段階になっても、契約書に記載された内容はテナントに不利な条件ばかり。挙げ句の果てに、契約期間であっても突如退去通告されたりする。これは、外国人だけでなく中国人同士でも頻繁に発生する。実は、中国人もハウスエージェントを全く信じていない。だから、中国人はせっせと自分で物件を購入したがる。

しかし、アントフィナンシャルが中国の煩わしい賃貸住宅事情を劇的に改革してしまう可能性を感じるニュースが飛び込んできた。

10月10日に、アントフィナンシャルは、上海、北京、深セン、杭州、南京、成都、西安、鄭州の8つの都市で、アリペイと芝麻信用をベースとした、賃貸物件向けのプラットホームを公開した。既に上述した8つの都市で100万ユニットを超える賃貸物件が登録されているという。

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アリペイは、蘑菇租房,按下来将有魔方、寓見などといった住宅企業と提携し、多くの賃貸物件をプラットホームに供給することに成功。さらに、現在中国では、地方政府が賃貸専門物件の開発を促進している事情もあり、アントフィナンシャルが地方政府と直接手を組み、賃貸向け物件の供給を確保したようだ。例えば、上海政府が、浦東の万博跡地や長寧、古北と行った日本人が多い虹橋地区など含めて、16万3000平方メートルの土地に賃貸専用物件を建築している。こうした、地方政府が管轄する賃貸向け物件をアントフィナンシャルが直接契約することによって、賃貸物件プラットホームに掲載することを実現したのである。今後は、8都市からさらに拡大し、中国全土を巻き込んでいく予定だという。

 

  • 伝統的なハウスエージェントとの違いとは?

アントフィナンシャルが提供する賃貸住宅プラットホームは、3つの部分で構成させる。賃貸物件に関連するオーナー、テナント、エージェントの三者がそれぞれが芝麻信用をベースとした信用システムを元に透明化されている。

  • テナント側

アリペイで支払うことにより、既にアリペイでID確認されているので身元確認手続きも簡易になる。さらに、自らの芝麻信用スコアを提供し自分の信用力を明示することができる。650をベースにして、賃貸契約に関わるデポジットを無料にすることが出来る。また、中国では通常は3ヶ月ごとに前払いして賃料を支払うのが一般的であるが、信用スコアに応じて月ごとの支払いに切り替えることも出来る。自分の信用を担保にして、有利な条件を引き出す仕組みである。賃貸期間中は、アリペイ決済を義務つけられることにより、アントフィナンシャルは滞納をしていないかを確認することができる。退去後に、物件を故意に破損したことが判明したり、綺麗に使用していなかった場合などには、自身の芝麻信用が低下することとなる。

  • オーナー側

契約期間中に契約違反はないか、テナントに対する悪質な行為はないかなどを確認。悪質な行為があれば、芝麻スコアを低下する。 

  • エージェント側

実際に広告に掲載していた情報と嘘偽りはないか。契約締結後にすぐに当該物件を公開情報から削除したか。架空の情報を掲示していないか。嘘の契約事項はないかなどを確認し、悪質な行為があれば、芝麻信用スコアが低下する。

上記の仕組みは、10月10日の正式ローンチ前に半年間上海で実験運用が行われていたという。実験運用の結果として、圧倒的にテナント側の人々がデポジットなしの賃貸物件を好むことが報告されているという。実験の中で提供された物件のうち15%だけがデポジッチ無し物件であったが、そのうちの80%が早期に契約され人気が高いことが実証されているという。

 

  • 今後の拡大が予想される芝麻信用(信用スコア)を活用したビジネスモデル

どうやら、アントフィナンシャルは、中国の賃貸物件市場を本気で変革することを望んでいるようだ。賃貸住宅市場は、信用力の裏付けを最も必要とする業界の一つであり、芝麻信用が大活躍できる分野である。

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自分の信用スコアが高ければ、デポジット代金を節約することも出来、支払いに関しては、アリペイを活用してキャッシュレス送金することを義務付けることによって、アントフィナンシャルはテナント側が家賃を滞納せずに支払っているかも同時に確認できるというわけである。

こうした信用情報があれば、中国では通常は3ヶ月ごとに前払いをする家賃支払いの仕組みに関しても、信用スコアが高い人向けには1ヶ月ごとに支払いを切り替えるサービスも容易に行うことが出来るというわけである。

アリペイによるキャッシュレス決済+芝麻信用を活用したデポジット無し+芝麻信用を活用した分割払いと行った究極のスキームをアントフィナンシャルは完成させてしまった。フィンテックの領域の奥深さを実感する事例である。

キャッシュレス社会を基礎として、そこに蓄積される支払い履歴のビッグデータから、新しいフィンテックサービスが生まれるという典型事例ではないだろうか。

ビッグデータがあればなんでも出来る。どうやら我々はとんでもない時代を生きているようだ。

参考記事:【キャッシュレス社会】芝麻信用(読み方はジーマ信用)とは?杭州では信用を使ってお金を節約できる!

 

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後もアリババのグループの新しいサービル展開にフォーカスしていくことにしたい。