中国のICOブームはとっくに終わりブロックチェーン実用化が次なるテーマへ!?

中国でICOが禁止されたのは2017年9月。約半年が経過し中国ではブロックチェーンはICOと無縁なものとして発展を遂げ実用化を模索していた。2017年世界でのブロックチェーン関連特許は1060。アリババは43特許を取得し第1位だがICO関係特許はゼロという状況。

2017年のブロックチェーン関連特許データ1060のうち49%が中国勢、アリババが1位でブロックチェーン分野での影響力を強める

中国特許関連メディアであるIPR daily と中国最大の特許データベースを運営するincoPat が共同で発表したブロックチェーン関連特許に関するレポートによると、2017年に全世界で取得されたブロックチェーン関連特許は1060個に及ぶという。そのうちの49%を中国企業が取得しブロックチェーン分野でも中国勢の存在感が増している。

特にアリババは43に及ぶブロックチェーン関連の特許を取得し、2017年のブロックチェーン関連特許ランキングでも1位に躍り出ている。アリババの影響なのか、ブロックチェーン分野では杭州を拠点とする中国企業が多いのも特徴と言えるだろう。

出展元:2017年ブロックチェーン関連の特許取得ランキング

http://www.iprdaily.com/

http://www.incopat.com/login?locale=en

ブロックチェーン関連特許に関して、上位100社のランキングを簡単に確認しておきたい。1位は43個もの特許を取得したアリババである。そのほかのトップ10には2位にバンク・オブ・アメリカが33個、マスターカードが6位で25個と続いている。これらの2社のアメリカ勢を除いてトップ10はほぼ中国勢が独占した格好となっている。

日本勢に目を向けてみると日本勢のトップは日本電信電話で特許取得数8個と全体の37位、同様にソニーが特許数5個で53位、富士通が特許数2個で76位などと続いている。

アリババが取得したブロックチェーン関連特許43個! ICO関連の特許はゼロ!

アリババが取得した43に及ぶブロックチェーン関連特許を眺めてみるとICOに関連したテクノロジーに関する特許が一つもないことが確認できる。中国ではICOは、既に2017年9月から全面的に禁止になっているが、ICOは既に過去の遺産扱いとなりのあまり好意的に捕らえられていない。現在は、ブロックチェーン技術はICOとは切り離された存在として、異なった角度からのブロックチェーンの実用化研究が進んでいる。

今回は、良い機会であるのでアリババグループの中核金融企業であるアントフィナンシャルが進めるブロックチェーンを活用した研究事例を少しだけピックアップしてまとめておきたい。

アントフィナンシャルにおけるブロックチェーン活用事例

(1) ブロックチェーン+親善事業

2017年3月にアリペイは、親善事業が行う寄付に関するプラットホームを構築しそこにブロックチェーンの仕組みを導入した。従来の募金は、寄付する人のお金がどのように活用されているのかのトレーサビリティーが低く不透明な要素が少なからず介在していた。アリペイが構築したプラットホームでは、最終的に受益者の口座にいくらの資金が流入したのかが確認できる仕組みになっており、ブロックチェーンを通じ透明性を高めるような仕組みが構築されている。2018年1月18日までに約2100万人のユーザーがプラットホーム上に登録し、831件に及ぶ寄付活動を行っている。

(2)ブロックチェーン+赤ちゃん用のミルク

中国では、以前から赤ちゃん用の偽の粉末ミルク問題が繰り返し発生しており、赤ちゃんに安全なミルクを飲ませることは多くの市民にとって重要な問題となっており、日本産をはじめとする海外の粉ミルクが人気商品となっている。

アントフィナンシャルは、こうした粉ミルクのトレーサビリティーを高め、消費者により安全に粉ミルクを購入できるような環境を整えようとしている。粉ミルクごとにトレースが可能となるIDを添付し、ブロックチェーンの仕組みを活用し、製造、物流、検査などの情報を簡単に確認できるのである。こうした取り組みは、多くの食品で応用できるものとなるだろう。

(3) ブロックチェーン+茅台酒

中国では、白酒(バイジョー)というアルコール度数40程度のお酒を好んで飲む習慣がある。その白酒(バイジョー)でも、一目置かれるブランドが茅台酒(マオタイシュ)と呼ばれるブランドである。中国の市場では、常に偽物の茅台酒(マオタイシュ)が大量に出回っており消費者は常に疑念を抱きなら購入することになっている。現在、アントフィナンシャルでは茅台酒(マオタイシュ)のトレースに関しても、製造から物流、検査のプロセスをブロックチェーン上で管理できるような仕組みつくりに取り組んでいる。こうした取り組みは、ブランドバッグや香水などの多くのブランド製品に応用が可能となるであろう。

アントフィナンシャルのテクノロジー研究所副社長蒋国飞(Guofei Jiang)のコメント

2月9日にアントフィナンシャルのテクノロジー研究所の副社長である蒋国飞(Guofei Jiang)氏が、FT中国の取材に対応してブロックチェーンがICOというイメージが先行してしまったことが、ブロックチェーン技術において2017年に起きた最大の誤りであったと述べた。ブロックチェーンは神様でもなく悪魔でもなく、今後はブロックチェーンが実際に「実現できる事」「実現できない事」をより明確に区別していく必要があるだろうと述べている。

中国では、2017年9月ICOが禁止されたのであるが、実はそこからブロックチェーンを本格的に実用化しようという取り組みがスタートしている。ブロックチェーンをICOと分断し、実際にブロックチェーンを活用してできることはなんなのだろうかというトレンドが加速している状況なのである。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としても、今後のブロックチェーンの発展動向に注目して行きたい。