【総合フィンテック企業とは】第2回 花唄(フアベイ)のバーチャルクレジットカード機能を活用して後払い!

総合フィンテック企業の第2回は、アリペイのプラットホームに組み込まれた螞蟻花唄(フアベイ)の紹介をしたい。今年の独身の日では、モバイル決済総額の40%を花唄(フアベイ)での決済が占めた。花唄の存在感が急速に高まっている。

螞蟻花唄(フアベイ、英語名:AntCheckLater)の概要。

花唄(フアベイ)とは、アントフィナンシャルの100%子会社である重慶阿里小貸(チョンチンアーリーシャオタイ)という会社が2015年4月にスタートしたサービスである。中国では現在、花唄(フアベイ)が爆発的に普及しつつあり、今年の独身の日(11/11)のイベントでは、モバイルを活用して購入された総取引額の40%に占める決済部分に花唄が活用されたという。(アリババ公式発表)

花唄(フアベイ)とは、簡単に言えば仮想的なクレジットカード機能のようなものである。決済する際に花唄を選択して決済すれば、翌日の10日までに指定した銀行口座やアリペイなどに引き落としのためのお金を準備すれば良い。金利負担をすれば3,6,9,12回といった分割返済も選択できるようになる。

アリペイユーザーは、芝麻信用スコア600点以上を保有することを条件として花唄のサービス使用を申請することが出来き、年会費も発生しない。芝麻信用スコア、年齢、属性、消費性向などを考慮しておおよそ500元-5万元までの花唄使用枠が設定される。最大でも5万元程度(85万円程度)の信用枠しか提供されないので、小口のクレジットカードというイメージかもしれない。

アリペイ画面を活用して花唄(フアベイ)の使用方法などを説明したい。

具体的にスクリーンコピーを活用して花唄(フアベイ)について説明してみたい。

最初に、総合フィンテック企業であるアントフィナンシャルが運営するアリペイのトップページをご覧いただきたい。

最上段の左から二番目のアイコンが花唄(フアベイ)である。

ant financial ant check later1

花唄のアイコンをクリックすると以下の画面が現れる。

あるユーザーの事例を提示する。これはあるユーザーの現在の花唄を活用した支払い状況を示しており、現段階で2964.57元のクレジットローンを花唄から借りていることを意味する。

ちなみに右下に記載されている13035.43元という数字が、まだ活用できる残余枠である。使用済みの2964.57と残余の13035.43を足した16000元というのがこのユーザーの花唄での可能限度額ということになる。

「分期」というボタンを押すと返済条件を指定することが可能となる。3回に分けて毎月返済する場合は毎月1012.89元を支払い、12回で分割する場合には268.78元(金利などの手数料負担21.74元含む)を支払うことになる。つまり、クレジットカードのリボルビング払いのようなものであり、負担する金利などの手数料の金額も明示している。3,6,9,12回の4つの分割支払いから返済方法を選択することになる。

分割返済でなく一括返済を選択する場合は、2枚目の写真に戻り「立即」のボタンを押せばその場で希望の金額を返済することが出来る。また、上述した「分期」を選択した場合でも、資金に余裕ができて繰り上げ返済したければ、いつでも好きな金額を返済することが出来る。返済した金額は金利負担から即日解放されることになる。おおよその仕組みをご理解いただけただろうか?

このようにバーチャルクレジットカードとでもいう仕組みを担うのが花唄でありアントフィナンシャルのプラットホーム内に配備され、アリペイの決済をより便利に行うことが出来るのである。

例えば、T-Mallで買い物をする際に、ユーザーが決済する時に花唄(フアベイ)を活用するのか、余額宝(ユーアーバオ)からお金を支払うのか、あるいはバウンドされた銀行口座から引き落とすのか、決済するたびにユーザーは自由に選択することが出来るのである。

 

中国人のアリペイユーザーが花唄(フアベイ)を好むわけ

今年の11/11日の独身の日ではモバイル決済での購入額の40%を花唄による決済が占めたというから、どれほど中国で花唄での決済が普及しているかお分かりいただけるだろう。

では、なぜアリペイユーザーは、花唄での決済を好むのだろうか?理由に一つには、単純に金利負担分が有利だからである。花唄を活用すれば、日本のクレジットカードのように実際の支払いを先送りすることが出来る。その間に、余額宝(ユーアーバオ)などの有利な金融商品で自分の資金を運用すれば金利分の利得を得ることが出来るからである。12/5日現在の余額宝(ユーアーバオ)の金利は3.99/年である。中国では、こうした金融商品を活用しながら、日常的に金利負担分を気にしながら金融リテラシーを高めるトレーニングになっているのかもしれない。低金利な国にいるとどうしても金利鈍感になってしまうので羨ましい部分もある。

別の理由として、花唄のシステム基盤が銀行システムより優れているという理由もあるようだ。独身の日の取引量は、最大で毎秒で17.5万回の取引量にも達する。銀行口座に紐付けられたアリペイ口座で決済すると、銀行システムに残高を照会する際に余計な時間がかかり、ユーザーは限定品の買い物で買い負けしてしまうようである。先を競うように、先着順に買い物をしなければならない独身の日においては、花唄での決済が最も迅速に決済を完了することが出来るという点でも人気があるようだ。

 

花唄があらゆる業務と結合して、事業サービスを拡充させる可能性

2015年4月に花唄のサービスが開始された時は、T-Mall(天猫)とタオバオでのプラットホームに限定されたアリペイの決済を補充するツールであった。しかし、現在では、Amazon中国版でも利用できるツールとなるなど、アリババグループ以外のプラットホームでも使用範囲を拡大している。オンラインに限定することなく、オフラインでの使用範囲も拡充している。

芝麻信用スコア600で手軽に解説できる花唄という仕組みは正式なクレジットカードに変わるバーチャルクレジットカードとして存在感を増しているのである。ちなみに芝麻信用スコア600というのは、ほぼ規則に沿ったアリペイ使用をしているユーザーなら取得できるスコアである。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)では、以前アントフィナンシャルと花唄(フアベイ)がタッグを組んで医療改革に取り組んでいる記事をご紹介した。現在では、アリペイの公式アプリに「華山(华山)医院」が組み込まれアリペイのアプリから、手軽に病院の予約ができるようになり、花唄のクレジット範囲内での後払いでの医療診察を展開している。

アントフィナンシャルの医療改革が始まった!アリペイと芝麻信用と花唄(ファーベイ)のタッグで医療事務の効率化を促進!

この事例は、患者はアントフィナンシャルが提供する芝麻信用と花唄を活用することによって、一連の診察フローを簡便化する取り組みであるが、総合フィンテック企業が成熟してくると、業界の垣根を超えてあらゆる産業に金融が根深く入り込むことを示す事例でもある。総合フィンテック企業とは、一つのプラットホーム上にあらゆる金融サービスが盛り込まれ、その金融サービスと連動するビジネスまでをも取り込み、一つのプラットホーム上で全てを完結させようとする壮大な仕組みなのである。

GlotechTrendsとしては、今後も総合フィンテック企業の動向に注目していきたい。