アリペイとWeChatPayが高速道路料金所の無人化実験開始!料金所の従業員は突如として失業危機に直面!?

中国の無人化導入に関するニュースは加速するばかりだ。2018年1月からアリペイとWeChat Payが相次いで高速道路料金所の無人化実証実験を開始した。無人化に直面した人々は失職の不満を口にするが、この流れはもう誰にも止められない。

アリペイが推し進める「無感決済」の普及が始まった!その名は「空付(コンフー)

2017年12月アリペイを運営するアントフィナンシャルは中国の高速道路料金決済に関してQRコード決済導入を発表していた。

ところが、2018年1月に開始された河南省と陝西省の一部で実証実験では、QRコード決済を通り越し、無感覚決済を可能とする「無感決済」へとアップグレードされていたのである。まさにスマートハイウェイの誕生である。

アリペイが河南省と陝西省の一部で開始した実験内容は以下である。車のナンバープレートをユーザーのアリペイアカウントと紐つけることによって、ドライバーは高速道路料金の支払行為をすることなく自動的に決済されるという仕組みである。

芝麻信用スコア550点であることを条件として、この決済を活用できる。ユーザーは、アリペイアプリの「交通」から「高速ETC」を選択する。あとは、画面に従って車の車種やナンバープレート(车牌付)などを登録し、パスワードなしの決済を承諾するだけである。

ユーザーは、高速道路に侵入するときは、特別な行為をすることなくセンサーが車の車種やナンバープレートを認識し、該当者が高速道路に侵入したことを認識する。高速から退出するときも、同様にセンサーが車を感知し、走行区間から料金を算出し、高速道路から降車すると同時にアリペイアカウントから自動的に高速代金が決済されるのである。ユーザーには決済と同時に決済情報のメッセージが送信されるので確認することが出来る。

ユーザーは、決済行為を一切自ら行う必要がなくまたスマホを含めたハードウェアデバイスを一切必要としないという点で、従来の決済手法から進歩したものとなっている。

アリペイはこれを「空付(コンフー)」と呼び、数年前から取り組んでいるが、昨年後半から、ものすごい勢いでスマホを必要としない決済手法の実用化が中国で加速しているのである。

WeChatPayも同時進行で、高速道路料金所の無人化を促進

2018年1月、アリペイと同じくWeChatPayも山東省で、高速道路の料金所の無人化への実験を開始した。ユーザーは、WeChatPayの「高速E行」という小程序(ウィジット)からユーザー登録する。使用方法や決済の仕組みなどは、ほぼアリペイと同じであるため説明を省略する。WeChatPayもアリペイと同様に無感決済の促進を進めているのである。

無人化が加速する中で表面化する職を失う人たちの危機

今回、アリペイは河南省と陝西省で高速道路料金所の無人化実験を行い、WeChatPayは同様の実験を山東省で実験を繰り返しているのであるが、このテストに直面したある女性が地方政府に率直な危機感をぶつけている。

「私は、すでに36歳。学校を卒業してから、全ての人生を高速道路料金所の仕事に従事して来た。他の仕事など何も知らない。この仕事は単調ではあるが、昼夜と問わず仕事し、空気汚染の中でも健康リスクを顧みず一生懸命仕事に打ち込んできた。もし、行政都合で失職するようなことがあれば、行政は別の仕事を用意し、我々の生活を保障する必要がある。」

というのである。失職の危機を目の前に提示されたら、当然の主張かもしれない。

実は、高速道路料金所の仕事は、中国では極めて安定的な仕事であり、何らかのコネクションがある人にしか提供されない仕事であるとされて来た。安定した報酬を永続的に保障される職業の代名詞の一つであり、とりわけ地方都市で料金所の周りに特別な産業がない場所では、とりわけ重宝された仕事である。中には、親が子供にこの仕事に就かせるために、何らかの特殊な行為を行なっているケースも少なくないという。

今回のアリペイ、WeChatPayの実験で見えて来た問題は、技術的な問題というよりも、むしろ中国のこうした特有の事情なのかもしれない。今後、高速道路の料金所の無人化が全国レベルで加速すれば、この大問題へと発展する可能性もある。

加速する無感決済「空付(コンフー)」

話を無感決済に戻すことにしたい。今後、中国だけでなく世界中で無人化が加速することはほぼ間違いない。同時に、無感決済という分野も大きな成長産業となるであろう。既に、アリババは多くの分野で無感決済を誕生させているので、ここで一度整理しておきたい。

1.顔認証のテクノロジーを活用したKFCでの決済

杭州のKFCが世界初の顔認証キャッシュレス支払を導入。「顔パスペイメント」が普及していくのか?|杭州

2、ゼスチャーだけで注文可能なスマートレストラン

2017アリババ雲栖大会シリーズ 第2回:「スマートレストラン」登場!まるで「食い逃げ」を楽しむ感覚で決済完了。

3、杭州萧山空港のスマホ不要のスマートパーキングの開始

【キャッシュレス社会の衝撃】杭州で進む顔認証社会。「顔パス」ペイメント? 顔認証ライフの始まり/中国

4、顔認証技術の最前線

フェースリコグニション(顔認識)技術の最前線、ターミネーターの世界が既に現実にもとに!|megvii 

5、スマートパーキング

無感支払とは?無人化駐車場で全自動清算のスマートパーキングが始まった  アリペイ|中国

そのほかにも、銀行のATMやガソリンスタンドなど、無感決済が続々と導入されるニュースが報告されている。杭州では近日中にもスマートレストランが開業するという。開業も待って体験訪問サポートも皆様にお届けするつもりである。

もうスマホすら必要ない時代というのがすぐそこまで来ているのかもしれない。

スマホの次のデバイスは何かという議論をよく耳にするが、スマホの次はデバイスを必要としない世界が待っているのかもしれない。