人工知能が養豚場にやってきた!アリクラウド(ET Brain)が一次産業をハイテク化!?

アリクラウドの人工知能(ET Brain)が中国の一次産業にビッグデータや人工知能を活用した改革を進めている。養豚分野での人工知能した取組みを紹介。中国政府の方針を相まってこの動きが一次産業全体に拡大する予感だ。

「早くAI導入して養豚すれば、早く綺麗な嫁さんがもらえます!」

これは、中国四川省のとある田舎町に掲げられた看板のキャッチコピーであり、伝統的な養豚場に従事する若者を刺激する言葉が踊っている。

「早くAI導入して養豚すれば、早く綺麗な嫁さんがもらえます!」

こうしたキャッチコピーは、他にもあり「AIを使えばいちいち出荷時に豚の体重を図らなくて良い!」「AIで母豚がたくさん子供を産みます!」「人工知能を活用すれば、子供は出稼ぎに行かなくて良い!」など、農業経営者を刺激する文言が農村部の人々を刺激している。煽りの側面も強いとも言えるが、農村の人が確実に人工知能という言葉を意識し始めている。

こうした言葉は、根拠なく並べられているわけでなく、実は今中国の農業分野に人工知能を活用する取り組みが積極的に行われている。

2018年2月4日には中国国務院も「国务院关于实施乡村振兴战略的意见」(農村振興戦略意見書)を発表し国策として農村の生産性の向上する戦略を掲げた。そして、タイミングを図ったのように、その二日後にアリババのジャック・マーが人工知能を活用したAI養豚プロジェクトを正式にスタートさせたのである。

ほぼ同時期に政府とアリババが農業分野での人工知能活用を発表したことにより、今後、農業の高度化ハイテク化が中国で話題の上がることが増えそうな予感である。

ジャック・マーの声明によれば、アリババは「農村にビッグデータや人工知能を活用し高品質な発展をもたらす」と述べている。ジャック・マーは人工知能を各産業に導入することを「AI+」と表現を用い、人工知能と産業を結びつけて生産性の高い産業へと再構築することが狙いのようだ。AI+豚、AI+牛、AI+魚、AI+羊など、ジャック・マーの頭の中には、伝統的な一次産業を人工知能と融合させるいくつかのイメージが既に出来上がっている様子であり、どのように実用化されていくのか今後の展開が期待される。

アリクラウド(ET Brain)+養豚場  

実は、ジャック・マーの声明の一足先に、既にアリババグループのアリクラウド(ET Brain)が、四川の農業企業である「四川特驱集团」「德康集团」の2社と戦略的なパートナシップを締結し、アリクラウド人工知能を活用した養豚事業を推し進めている。

アリクラウドのET Brainというのは、北京国際空港の効率化を実現するビッグデータを活用した人工知能として当サイトでもご紹介している。関心のある方は、過去記事に目を通していただければ幸いである。

参考記事:12/20アリババのクラウド事業であるアリクラウドが新人工知能活用事例を発表!空港、本屋、洋服店、スーパーマーケットなどの分野でAI化を加速。

今回の養豚場のケースでは、人工知能を活用し豚が誕生してから納品されるまでの全ての期間の記録を、画像解析、顔認識、音声認識、物流アルゴリズムなどを活用して、豚ごとにデータファイリングされているという。豚ごとに、種類、年齢、体重、食習慣、体力の強度、運動状況、体調などの情報が詳細に記録されているのである。

人工知能を活用した養豚場で何が実現できるのか?

人工知能を活用した養豚の効率化は様々な場面で力を発揮する。

例えば、ビデオ解析を導入することにより母豚が頻繁に横たわる時などは、妊娠を早期に発見し隔離し妊娠状態の食事に切り替え、また、母豚が過去自然分娩か帝王切開で出産したかなどのデータ記録を照合することなどで、子供誕生までの効率性を高めることが出来るという。過去の実験結果によると、人工知能を導入することで、母親が1年間で産む子豚の数が平均3頭多くなったという。

また、誕生間もない子豚は頻繁に大人豚の下敷きになったり、不慮のアクシデントで死亡するケースが多いのであるが、画像解析や音声認識の仕組みを導入することで、視覚や音声で子豚の危機を確認でき子豚の死亡率が3%低下しているという。

画像認証により、豚の大方の体重を推計することも可能であり過去の食事状況や運動状況と照らし合わせることで、豚の赤み肉と脂肪部分の配分を効率的に行い高品質の豚の生産が可能となるという。高品質な豚が生産できるということは、最終的には出荷する際の卸値が高くなり、経営者により多くの収益をもたらすことを意味する。農家の人が人工知能に熱い視線を送るのは自然な流れなのである。

今後、アリクラウドのET Brainが、多くのデータを蓄積しより効率の高い養豚プロセスを実現し、ひいてはその結果が話題となり一次産業全体に波及していくようなトレンドが生まれるかもしれない。

GltoechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としても、一次産業に人工知能が浸透しより付加価値を生み出していくことは、大きな社会構造の変化だと捉えている。今後の一次産業+人工知能の動向に注目していくつもりである。