【雲栖大会(The Computing Conference)】探訪記①:2018年はニューマニュファクチュア(新しい製造業)元年になるか

9/19世界64カ国から12万人に及ぶ参加者を集めるアリババのテクノロジー祭典、雲栖大会(The Computing Conference)の杭州大会が開幕した。探訪記第一弾として、初日午前に行われた重要スピーチをサマライズしてお届けする。ジャック・マー、ダニエル・チャン、サイモン・フーなどの豪華なスピーチの内容とは?

 

64カ国から12万人の訪問客で会場は熱気!100万人を超えるオンラインライブ参加!

本日から9月22日までの4日間に渡って、アリババグループが一堂に集結する最大のテクノロジーイベント「雲栖大会(The Computing Conference)」が開催されている。初日となった本日(19日)の午前セッションには、アリババグループから豪華メンバーが次々と登壇し、内容の濃いスピートを次々に展開した。アリババグループCEOダニエル・チャン(張勇)、アリババクラウドCEOサイモン・フー(胡暁明)、アントフィナンシャルCTOチェンリー(程立),大トリにはジャック・マーが登壇し、会場は大いに盛り上がりを見せた。今回のレポートは速報記事的な形で午前のセッションからポイントをまとめてお伝えしたい。重要項目に関しては分析の上改めてレポートする。

(撮影GloTechTrends)

新しい杭州市のストーリー

まず最初に浙江省省長袁家军が登壇し云栖大会(the computing conference) 開催の祝辞を述べた。浙江省における2017年GDPのうちデジタルエコノミーが生み出す価値は2960億USDに達し省全体のGDPの39.9%に達しているのだという。2018年上半期もデジタルエコノミー分野では16.4%の成長を示し今後の成長軌道は揺るがないという。

(撮影GloTechTrends)

また、杭州市はアントフィナンシャルが提供するモバイル決済「アリペイ」により、中国No1キャッシュレスシティーを目指しているが、杭州市では既に95%のコンビニやスーパーマーケット、98%のタクシー、5000以上のバス(ほとんど全部)がモバイル決済対応となり高いキャッシュレス普及率を示しているという。また同様に「アリペイ」がサポートする公共サービスは153に及び、納税、公共料金、年金などほぼすべての行政サービスを網羅しており効率的な行政運営を実現しているという。

また、アリババクラウドと杭州市(杭州市は浙江省の省都)が協力し、ETシティブレイン計画が既に実行されているが、シティブレインのお陰で杭州の悪名高き渋滞を示す渋滞指数ランキングは、中国全土で8位だったものが64位まで改善されているという。アリババクラウドCEOサイモン・フー(胡暁明)も、シティブレインのバージョンアップとなるシティブレイン2.0の導入を今回の登壇で明言している。

 

ジャック・マーが語った「ニュー・マニュファクチュア(新しい製造業)」

午前のセッションのトリで登壇したジャック・マーが口にしたのは以前ジャック・マーが発表したコンセプトである「ファイブニュー」から、とりわけニュー・マニュファクチュア(新しい製造業)に重きを置かれたスピーチとなった。

(撮影GloTechTrends)

5つのニューとは、ジャック・マーが同じく2016年の雲栖大会(The Computing Conference)で語ったコンセプトである。「ニューリテール」「ニューマニュファクチュア」「ニューファイナンス」「ニューテクノロジー」「ニューエネルギー」の分野を新しくテクノロジーを活用してアップグレードするというコンセプトである。2016年の雲栖大会(The Computing Conference)では「ニューリテール」分野にフォーカスされ、2017年はニューリテール元年となったのは記憶に新しい。

今年の雲栖大会(The Computing Conference)では、「ニューマニュファクチュア」分野に関してジャック・マーが熱く語り、これから製造業にテクノロジーを活用してアップグレードをする試みが大々的に開始する予感が漂う。2018年は、ニューマニュファクチュア(新しい製造業)元年となりそうな予感である。

ジャック・マーのスピーチを簡単に振り返ってみよう。これからの10-15年は、伝統的な製造業は激しい痛みを伴うという。大量生産、大量消費のコンセプトに基づく製造業主導の伝統的な製造スタイルは駆逐され、消費者のニーズに基づくデータ駆動型の製造業が主流となるというのである。5分間で2000個の衣服を製造するよりも、5分間で2,000種類の衣服を製造することが、より重要視される時代に突入するというのであるが、果たして本当にそんなことが実現できるのであろうか。

ジャック・マーは、雲栖大会(The Computing Conference)に先駆けて同じく杭州で開催された淘宝造物節(Taobao Maker Festival)を2度訪問し、若者たちがよりクリエイティブで、創造心に満ち溢れていることに感銘を受けたという。伝統的な製造業は規模のメリットを追求し。それが同時にコスト削減の原動力となった。しかし、未来でより重視されるものは、それぞれの消費者のニーズに耳を傾け、消費者のニーズに少量から対応する製造が大事だと語っている。その少量のニーズに対応するための源泉がデータというのである。どんな「ニューマニュファクチュア」が展開されるのか、今後目が離せなくなりそうだ。

参考記事:未来のショッピングを提示した淘宝造物節(Taobao Maker Festival)が閉幕!

さて、2016年に発表されたニューリテールのコンセプトを実行するためアリババは多くのリテール店舗を買収し、サンプル店舗を展開し成功に導いた。おそらく、これを同じことが製造業で展開することになるだろう。今後アリババから製造企業買収のニュースが届くのはそう遠くはない気がしている。

 

米中貿易戦争は20年かけて解決するべき問題  ジャック・マー

少し、余談となるが現在世界が注目している日中貿易戦争について、スピーチの中でジャック・マーが面白い見解をしめしている。日中貿易戦争は、2ヶ月や2年で解決する問題でなく、20年かけて解決する問題だというのである。企業はその準備をする必要があると警告しているが、それと同時に20年あれば、スタートアップ企業が次のアマゾン、アリババとなるための十分な時間だとも指摘している。

実は、アリババクラウドCEO サイモン・フー(胡暁明)、Damoアカデミーからも重要発表が数多く行われたが、その話は明日レポートすることにしたい。アリババクラウドは、急速にグループ内でその存在感を高めている。ジャック・マーが言うデータの時代では、クラウド事業者が重要な役割を担うのは当然かもしれない。

GloTechTrends(グロテックトレンド)今後も継続して云栖大会(the computing conference) の報告を行なっていく予定である。

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