アリババグループの新型コロナウイルス(COVID-19)対応事例

中国では多くの都市が完全なる都市封鎖から解放されつつあるが、人々はまだ自主的に外出を控え、多くのリアル店舗も休業せざるをえない状態が続いている。このような状況下で、アリババグループの既存デジタルツールを活用・アレンジし、「オンライン販売」「オンラインイベント」などの形でビジネスを再開する企業及び個人事業主が増えている。また、タオバオの調査によると2020年2月1日~2月中旬までの新規登録店舗数は3万店舗以上にのぼり、オンラインでの活動が活況である。

 

それぞれにQRコードが配布されスキャンして緑色ならば外出可能

2/26現在、アリババのお膝元である杭州市は少しずつではあるが、活気を取り戻しつつある。それぞれにQRコードが配布されそのQRコードをスキャンして、緑色であれば、感染者との濃厚接触が無いという判断で外出可能となる。もちろん、ビッグデータの解析から濃厚接触したか否かが判断される。この仕組みは、杭州のアリババでスタートしたものだが、既に多くの中国の都市で活用されている。

(杭州における健康QRコードシステム  GloTechTrends撮影)

 

既存のデジタルツールを活用した「オンライン◯◯事例」

 オンライン販売事例

  • 不動産の営業マンがオンラインで物件を販売

全国60以上の都市が相次いて不動産のセール活用をストップするように呼び掛けている中、不動業界のある営業マンが自宅でスマホのライブ配信を活用して物件を紹介している。

この販売需要を受け、「アリババオークション」と「タオバオライブ」が不動産のライブコマースに特化した「オンライン不動産販売」のコンテンツを展開している。現在は、中国本土の500社5,000名の不動産社員が参加し、100都市の物件をカバーされているという。2月11日から17日の6日間だけで200万回の視聴があったという。

タオバオライブで「オンライン不動産販売」を実施
  • ディーラーがオンラインで自動車を販売

BMWやAUDIなど23の自動車メーカーの1,500軒のディーラーの店舗が、タオバオライブで自動車を紹介、販売しているという。

  • 各自治体と連携し、オンラインで農産物を販売

新型コロナウイルスの影響で物流が止まり農産物の販売も影響受けている。タオバオライブは各地自治体と連携して「助農專線」を展開し、ライブ配信で農産物を販売しているという。

 

オンラインプロモーション事例

  • オンラインで博物館内部を公開

2月23日から、中国国家博物館などの博物館はタオバオライブでライブ配信を開始するという。子供たちに向けて、自宅いながら世界遺産の修復作業が見られるようなコンテンツを提供していくようだ。

 

オンラインイベント事例

  • ブランド向けにオンライン発表会のツールを提供

タオバオライブがオンライン発表会のツールを発表している。ショートビデオ・淘寶頭條などのツールを活用して、ブランドに発表会の場を提供している。シャオミは2月13日Xiaomi10の製品発表会を実施し、Adidasもタオバオライブで新商品発表会を予定している。

  • 新型コロナウイルス支援のためのオンラインチャリティーコンサートを実施

2月14日にタオバオライブがオンラインコンサートを実施しました。合計400万回の視聴があり、57万元の寄付を集めた。

 

オンラインEC店舗開設事例

  • 個人でもEC店舗を開業できるプラットフォームの新規加入者が大幅に増加

アリババグループ傘下の起業プラットフォーム「淘小铺」は、消費者が起業家になることを促進する、アリババグループのミッション「あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)」に沿うサービスである。消費者がタオバオで売れそうな、人気商品になりそうな商品を見つけたとき、“淘小铺”をクリックするとその場でタオバオのEC店主になり、目星をつけた商品をタオバオで販売することができる。店主は仕入れなどの作業は必要なく、商品は元の販売者(サプライヤー)から購入者へ送られる。“淘小铺”のプラットフォームを通し、購入者を必要としている販売者(サプライヤー)をタオバオユーザーの力で掘り出し、販売をサポートとする一方、個人がビジネスを始める難易度とコストを大きく削減することができる。

良い商品をシェアするだけで利益を得られる“淘小铺”は多くのタオバオユーザーを惹きつけ、2020年2月1日~2月中旬の新規加入者が大幅に増加しているという。 

  • 深圳コンピューター部品販売店がEC店舗を開設

 深センでコンピューター部品販売店を運営する店主がタオバオで「汉志科技」というEC店舗を開いて在庫品を売り、新型コロナウイルスで開業できない時期を乗り越えようとしている。

  • 農業振興サポーターがイチゴをオンライン販売して農家を支援

山東済南の農業振興サポーターがタオバオで新たに店舗を開設し、新型コロナウイルスの影響で発送できないイチゴをオンラインで販売。農家の損失を最小限に抑えるべく取り組んでいる。

 

タオバオ・天猫による新たなビジネス再開サポート 

  • ライブコマースサービス「タオバオライブ」の加入料を無料に

2月10日、アリババグループは中国全土の実店舗を対象に、タオバオライブ加入料を無料にすることを発表した。また、実店舗の従業員がライバー(ライブ配信を行う人)になるトレーニングなども提供し、飲食店、百貨店、有名ブランド(シャオミやAdidas)など様々な実店舗が、タオバオライブを通じてビジネスを再開できるようサポートした。

その結果、新規ライブスタジオ数が前年同期比100%増加し、ライブ配信回数も前年同期比110%増加した。

  • チャリティ基金への投資を増やし、農産物販売をサポート

 タオバオは、農業サポート基金「愛心助農基金」に10億元規模の投資を行い、10方面の取り組みを掲げて農業振興をサポートしている。その基金内に「愛心助農専線」を設置し、困っている農家や地域を援助している。

タオバオの調査によると、「愛心助農」プロジェクト開始以降、タオバオ・天猫における果物の売上が前年同期比600%増となっているという。

愛心助農基金による農産物販売サポート事例:

ウイルスで売上が低迷している海南省の農産物の販売をサポートするため、アリババグループがプロジェクトチームを立ち上げ、二日をかけて海南省からのディジタルサプライチェーンを再開させた。2月8日から10日まで、売上が低迷していた海南省の農産物がタオバオ・TMALLで500万トン以上を販売したという。

 

その他のアリババグループの新型コロナウイルス(COVID-19)取り組み事例

2020年1月下旬から深刻化した新型コロナウイルス肺炎に対して、菜鳥は配送会社30社あまりと共同で、「菜鳥グリーンルート」を開設しました。中国全土、さらには世界各地からの支援物資を、武漢市などの肺炎蔓延が深刻な地域に無料で送る取り組みである。

医療物資の不足は単に物資が足りないだけではなく、必要な場所に必要なものを届けられないという物流問題でもあり、こうした問題をどうテクノロジーによって、解決していくのかという高度な課題に取り組んでいるのである。

いずれにせよ、新型コロナウイルス肺炎という緊急事態によって、解決すべき社会的課題が増加している。こうした苦難の状況下において、真摯に社会的課題の解決に取り組もうとする企業から、新しい革新的なデジタライゼーション事例が登場しようとしつつある。

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