アリババが9月のジャック・マー退任後の経営戦略を見据え大規模な組織再編を発表!

9月10日に予定されるジャック・マー退任まで100日を切った。6/18、アリババグループCEOである張勇(ダニエルチャン)は、全社員向けにレターを送付し、アリババグループの組織再編を発表した。カリスマ的経営者ジャック・マー退任後のビジネス戦略を明確にするする狙いがあり、大規模な組織再編となった。アリババの中核事業であるEコマース事業の成長が鈍化する中で、クラウド事業やエンターテイメント事業などの成長事業をさらに強化し、アリババ経済圏を複合的に成長強化する狙いがあると思われる。

 

CFOである武衛(マギー・ウー)の権限が強化されエコシステム全体の投資部門を統括!

最も注目すべきは、2013年以降アリババの最高財務責任者(CFO)として活躍した武衛(マギー・ウー)氏の権限が大幅に拡大され、アリババのエコシステム全体に関連する戦略的投資部門を統括することになった点である。組織再編以前は、ジャック・マー氏の右腕であり副会長としてアリババを支えたゴールドマンサックス出身の蔡崇信(ジョゼフ・ツァイ)氏が戦略的投資部門を統括していたが、武衛(マギー・ウー)に権限委譲され、今後はアリババエコシステム全体に対する投資を武衛(マギー・ウー)氏が統括することとなる。

アリババの中核事業であるEコマース事業の成長が鈍化する中で、アリババ経済圏全体としての成長をビジネス戦略として総合的に推進することは、以前にも増して重要視されており、その重責を武衛(マギー・ウー)氏が担うこととなった。今後は、成長著しいクラウドコンピューティング事業、エンターテイメント事業、フィンテック事業、ニューリテール事業などを複合的ビジネスモデルに落とし込み、将来の成長ビジネスモデルを結成していくことが求められているのである。

 

ニューリテール戦略の中核である「盒馬鮮生(フーマーシェンション)」は独立部門へ!

今回の組織再編の中でいくつか面白い動きがあったのでご紹介しておきたい。

まず、アリババ内の直営スーパーマーケット部門として位置づけられていたニューリテール中核店舗「盒馬鮮生(フーマーシェンション)」は、単独のビジネスユニットとして格上げされ独立採算部門となった。ニューリテール戦略は、2016年末からスタートした小売業に対するテクノロジーアップグレードの動きであり、実はまだ黒字化の目処が立っていない発展途上のビジネスモデルであるが、今後は独立したビジネスユニットとして、より採算性が重要視される部門となる。CEOには従前より盒馬鮮生(フーマーシェンション)を率いていた侯毅(ホウイー)がそのまま横滑り就任となった。

エンタープライズ向けのソフトウェアとして提供され、オフィスワーカーの仕事スタイルを大幅に改善したと注目を集める「釘釘 (DingTalk)」は、アリババグループのクラウド事業を推進する「アリババクラウド・インテリジェンスビジネスグループ(Alibaba Cloud Intelligence business group=阿里云智能)」に吸収された。今後「釘釘 (DingTalk)」の重要性が高まることは間違いなく「釘釘 (DingTalk)」に関しては機会を改めてその機能をご紹介したい。

参考記事:

11/26 アリババが大規模なグループ組織再編を発表!テクノロジー企業へのシフトを鮮明化!

その他にも、阿里文学(Ali Literature)、阿里音楽(Ali Music)、阿里影業(Ali Pictures)などのエンターメント関連のグループ企業が格上げとなり、今後アリババ経済圏においてエンターテイメント関連事業が重要視される方向性が明確化された組織改編となった。今回の組織再編は、アリババのカリスマ的経営者であるジャック・マーが退任した後のアリババの経営戦略を占う上でも重要な組織再編となっており、今後のアリババのビジネス展開が非常に気になるニュースである。

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