【アリババニューリテール戦略の全貌】第2回:新しいショッピングモール「More Mall(猫茂)」2018年4月開業

アリババが計画しているニューリテール戦略に関するニュースが飛び込んできた。アリババが提示するニューリテールの特集記事第2弾として2018年4月にオープンするO2Oショッピングモール「more mall(猫茂)」計画をレポートしたい。

  • 2018年4月にアリババがニューリテール戦略を体現するショッピングモール「more mall(猫茂)」をオープンへ。

アリババは、兼ねてからニューリテールという新しい戦略を打ち出しているが、今度はアリババが自らニューリテールを体現できるようなショッピングモールをオープンさせると発表した。新しいショッッピンモールの名称は「more mall(猫茂)」。2018年4月にアリババ本社の近くの西渓園地区にオープンするという。5階建建物で総面積は4万平方メートルとなる大型ショッピングモールとなる予定だ。

alibaba new retail more mall 1

現在のアリババCEOである張勇(ダニエルチャン)は、記者会見の席でニューリテール戦略の最重要要素は、インターネットを一つの単体チャネルとして捉えるのではなく、インターネットとオフラインの融合を効率的に行ななければならないと考えている。アリババは、そのためのインフラを提供することに貢献したい。」と力強く語っている。

 

  • 新しいO2Oショッピングモールに導入されるであろうテクノロジーとコンセプト

実は、アリババが記者会見で発表したニュースは多くない。ここからは推測の域を出ない部分もあるが、現在までのアリババの戦略、及び実験店で提供しているサービス、あるいはアリババが注力して開発しているテクノロジー技術を勘案しながら新しいショッピングモールではこう行ったコンセプトが提供されるのではないかという観測記事を提示したい。実際のレポートは来年4月のオープン時に正確な情報をご提供していきたい。

1)スマートミラーによる仮装試着室、仮装化粧テクノロジー

alibaba virtual mirror

ar virtual mirror

ar tianyan3AR 商品紹介(天眼という)

アリババは、2017年6月に17日城西銀泰城において「ニューリテール体験館」をオープンさせている。そこでは、スマートミラーを活用した仮装的な試着室というコンセプトで、体型や肌の色、髪型、スタイルなどに合わせて様々な服を試着できるという技術を提供している。またスマートミラーを活用した仮装的な化粧体験が可能なスペースも提供している。顧客は店舗で体感したものをオンラインでその場でオーダー出来る仕組みである。

 

2)ハウスセレクションという家具店舗

アリババは2017年第二四半期において126億香港ドル(約1764億円)で、百貨店大手・銀泰商業を買収している。その後アリババが銀泰と共同で、ハウスセレクションという家具店舗をオープンしている。店舗は中国版イケアとも言えるようなのオシャレな出で立ちであるが、特徴的な点は店舗は家具体験の場所として位置付けられており、顧客はスマートフォンを持参して、店内で気に入ったものがあれば、商品をオンラインで注文購入出来る仕組みが提供されている。サンプルをみて気に入った商品があれば、オンラインで購入し、現地で購入し自宅まで持ち帰ることなく、自宅で配送を待ち受けるだけである。

 

3) 盒马鲜生(hemaxiansheng)

alibaba new retail hemaxiansheng supermarket

盒马鲜生(hemaxiansheng)というスーパーにアリババが2016年3月に投資をしている。この店舗の特徴は、キャッシュレス決済が売りである点と、購入した食材を依頼すればその場で機械や常駐しているシェフが簡易に調理してくれるレストラン機能を合わせ持っているという点の2つである。2016年1月に最初の店舗が上海にオープンしたのであるが、アリババの出資を得て拡張の勢いを増している。 

 

4)ビックデータを活用した来店客の消費行動の分析

アリババが得意とするオンラインでの購買履歴などのビックデータ分析に加えて、アントフィナンシャルが提供する近隣住民の属性分析を掛け合わせることによって、店舗運営には最適な在庫管理で対応する。売れ筋以外は、在庫リスクを控え店舗からオンラインで注文するスタイルを進化させる。

おそらく上述したテクノロジーを応用したコンセプトがショッピングモールの店舗にふんだんに組み込まれると予想される。テクノロジーを活用して、店舗であるオフラインとネット取引であるオンラインが融合して、より効率的な仕組み追求していくと考えられる。完成までまだ8ヶ月ほどあるので、それまでに我々を楽しませてくれる新しいテクノロジーも生み出されるだろう。

 

  • オンラインとオフラインとの融合とは?

オンラインとオフラインの融合と簡単にいうが、どういうことであろうか。O2Oビジネスの成功事例としてアリババが浙江大学の正門横で開店サポートしたコンビニの事例が思い出される。(記事の終わりに参考記事としてURLを記載)

O2Oビジネスを効率よく行うためには、オンラインとオフラインの間で価格やサービスという点で、ユーザーにとってアービトラージ(裁定)が不可能な状態であることが求められる。なぜなら、オンラインの方が少しでも価格にお得感があればユーザーはオンラインに流れていくし、店舗で有利なポイント優待があれば、顧客はそちらに流れてくるからである。

オンラインとオフラインの融合を実現し、双方の相乗効果を高めるためには、サプライチェーンなどのシステムを充実させることによってオンラインとオフラインの間でアービトラージが発生しないようなスマートなプラットフォームを作り出す必要があるだろう。ユーザーごとの割引率の差異やポイント制度などの細部まで勘案して、双方にとってウィンウィンなプラットホームを作り出す作業はとてつもなく膨大な作業に思えるが、アリババは現在それにトライしているようである。

果たして、アリババが2018年4月までにインターネットとオフラインの融合をどういった形で実現してくるのであろうか。ニューリテールを実現するプラットホームをどのような形で提供してくるのか大変興味深い。

 

glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、来年の4月に現地から「more mall(猫茂)」に関してどのようなレポートを皆様にお届けできるか今からとても楽しみである。

参考記事:【アリババニューリテール戦略の全貌】第1回:オンラインとオフラインの融合、これぞ新しい小売「O2Oの最先端」だ。