アリババが越境EC「網易コアラ」買収?天猫国際との統合で越境EC事業強化?

8/13、中国の有力メディア「財経」によれば、アリババが、網易(ネットイース=NASDAQ上場)の越境Eコマース事業である網易考拉(ネットイースコアラ=子会社HQG Ltdが運営)を20億USD(日本円で2120億円程度)で買収を検討していると報じた。実現すればアリババが運営する越境EC事業「」と統合され巨大な越境ECプラットフォームが誕生する。

 

越境Eコマース「網易考拉(ネットイースコアラ)」とは?

「網易考拉(ネットイースコアラ)」は、2015年1月から運営を開始したクロスボーダープラットフォームであり、網易(ネットイース)の子会社HQG Ltdによって運営されている。粉ミルク、おむつ、化粧品などのカテゴリーからビジネスをスタートさせ爆発的な成長に成功し、現在では越境Eコマース分野では常にマーケットシェア上位に食い込む有力企業である。

参考:網易考拉(ネットイースコアラ)

中国の有力リサーチ企業Analysys易观が公表した「2019年第1四半期中国越境ECモニタリングレポート」を確認すると、越境EC分野のマーケットシェアは、アリババの越境ECプラットフォーム「天猫国際」が市場シェア32.3%であるが、網易考拉(ネットイースコアラ)が24.8%と2位を占めている。つまり、この買収が実現すれば、両社の越境EC分野での市場シェアは57.1%となり、絶対的なポジショニングを獲得することになるのである。

 

「網易考拉(ネットイースコアラ)」は買収提案に応じるのか?

ナスダック市場に上場している網易(ネットイース)が8月8日に公表した2019年第二四半期の財務諸表を確認してみると、網易(ネットイース)のEコマース事業の売上高の成長率が鈍化していることがわかる。2018年第3四半期の時点では67.2%あった売上高成長率は、2018年第4四半期では44%、2019年に入ると第1四半期では28%と、第2四半期の時点では20%にまで低下している。合わせて、網易考拉(ネットイースコアラ)では、中国で大規模に展開されてるオンラインとオフラインを統合するニューリテール戦略のトレンドに乗り遅れないために、昨今リアル店舗の出店にも力を入れている。上海、杭州、鄭州、重慶、成都、唐山などの8つの都市に網易考拉(ネットイースコアラ)のオフライン店舗を開設し、これらの出店コストにより資本を必要とする構造とも指摘されているのである。網易(ネットイース)としては、売却価格さえ折り合えば、アリババの買収提案に応じるという話は、十分に現実味があるのではないだろうか。

写真:杭州市内にある天猫国際のリアル店舗 GloTechTrends撮影

さて、網易(ネットイース)が展開する越境Eコマース事業には、現在多くの日本企業が密接な関係を有している。2015年の三井物産との提携、2016年には楽天、花王との大規模な事業提携も締結されている。その他にも、キリン堂、小林製薬などと事業提携を結んでおり、アリババの「天猫国際」と「網易考拉(ネットイースコアラ)」の企業買収の結果次第では、日本企業をも巻き込みながらレイアウト変更に大きな影響を与えそうである。現時点では、アリババ側も網易(ネットイース)側もコメント差し控えているがその行方が気になるところである。

ちなみに、昨日時点の両社の時価総額はアリババの時価総額は4147億USD(日本円で45兆円程度)、一方の網易(ネットイース)の時価総額は300億USD(日本円で3兆2000億円程度)となっている。越境Eコマースの関係者にとって注目すべきニュースとなりそうだ。

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