アリババが広告大手「フォーカスメディア」第2位株主へ! 広告業もオンラインとオフラインの融合?

7/18、アリババが中国最大のライフスペース広告メディア企業である「フォーカスメディア(Focus Media)の株式10.33%を151億元(約2567億円)で取得することを発表した。オンラインとオフラインの融合(OMO) が広告分野に進みそうな予感である。

 

広告業界にもニューリテール戦略が導入されるのか?

これはまだ空想のお話である。

エレベーター上部に設置されたAIカメラが乗り込んできた人物を顔認証によって誰なのかを瞬時に特定する。同時にその人物に関連するビッグデータ解析により、その人にとって関心がありそうな広告をエレベーター内のスクリーンで自動的に放映する。

いわばGoogleやFacebookがオンライン上で日常的に提供しているターゲティング広告のオフライン版である。現在では、人工知能の技術も進化し、クラウドに蓄積されたビッグデータ量も膨大となり、技術的にはオフライン分野でもターゲティング広告を実現することも容易になりつつあるのである。

 

7/18 アリババは、エレベーター内広告最大手「フォーカスメディア」の第2位株主へ!

7/18、アリババは、ライフスペースメディアネットワーク企業であるフォーカスメディア(Focus Media)の株式10.33%を151億元(約2567億円)で取得することを発表した。アリババによるフォーカスメディア株式取得合意は、既存株主であるPowerStar やGlossy Cityなどから7.99%に当たる株式を譲り受けることと合わせて、フォーカスメディアが発行する2.33%の新株発行を引き受ける形で、合計10.33%の株式を取得するという。両方の手続きが完了すれば、アリババは、フォーカスメディアの第2位株主ということになる。投資金額は合計で151億元(約2567億円)に及ぶ。

 

アリババが展開するニューリテール戦略の復習 

現在アリババは、中国全土でニューリテール戦略を展開しており、小売業においてオンラインとオフラインの融合を進めている。

ニューリテール戦略について少しだけ説明をしておきたい。最初に潜在顧客のビックデータ解析を行うことでユーザー属性の把握を行う。ビッグデータ解析を精緻に行うことで、販売可能性の高い商品を必要数だけ配置することを実現し、効率良い店舗運営が期待できるのである。ニューリテール戦略において、鍵となるのは何と言ってもアリババクラウド上に蓄積されたビッグデータである。アリババの創業者であるジャック・マーは、ビッグデータの重要性を「現代における原油」という言葉で表現している。

参考記事:【アリババニューリテール戦略の全貌】最終回 ニューリテール戦略の狙いとは?中間まとめ

【アリババニューリテール戦略の全貌】第1回:オンラインとオフラインの融合、これぞ新しい小売「O2Oの最先端」だ。

 

フォーカスメディアは、オフライン広告分野に強み!

フォーカスメディアについても少し触れておきたい。2003年に設立された上海を本拠地とする大手広告メディア企業である。2005年7月には米国ナスダックに上場も果たし2007年にはナスダック100指数を構成する企業にも選出されるほど注目を集めた。2013年5月にMBO形式(マネージメントバイアウト)での株式非上場化を選択しナスダック市場から上場廃止手続きを行った。現在は、中国深セン市場A株式として2015年12月に中国本土再上場を果たしている。創業者である江南春(ジャンナンチュン)は、2018年のフォーチュン誌が選出する富裕層500にも選ばれ中国35位のお金持ちとしても有名である。

中国では、エレベーターの中や周辺での広告を頻繁に見かけるが、エレベーター広告という新ジャンルを開拓したのはフォーカスメディアなのである。エレベーター広告は、中国内では圧倒的な支持を受け既に150都市で利用され、約150万台のエレベーターをカバーし2億人に閲覧されている。フォーカスメディアは、ライフスペースメディアと称されるだけあって、人々の生活に密着したオフライン空間での広告を得意とする企業なのである。

 

アリババは、広告業界においてもオフラインとオンラインの融合?

ニューリテール戦略においてEコマースと伝統的なリテール業の融合に成功しつつあるアリババが、次にターゲットとするのが広告業界となりそうだ。アリババも、グループ会社にオンライン広告事業に強いアリママ(2007年11月設立)を擁しオンライン分野での広告ノウハウを持ち合わせている。

今回、アリババがオフライン広告に強いフォーカスメディアの株式を取得したことで、両社は今後、オフライン広告とオンライン広告の融合に関して共同研究を進めることになりそうだ。街中に溢れるオフライン広告の提供場所が、ターゲティング広告のポイントとなる未来は果たしてやってくるのだろうか?広告分野におけるオンラインとオフラインの融合も今度面白いテーマとなりそうである。

 

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