アリババと口碑(こうべい)がタッグを組んだスマートレストランが1/28日杭州に正式オープン!

1月28日、五芳斋()インテリジェントレストランの名称で、(こうべい/アリババグループ)がスマートレストランを開業した。無人化とO2Oを促進しアリババが推し進めるニューリテール戦略の一翼を担うようだ。

 

2017年にアリババが計画したスマートレストラン第一弾がやって来た。

昨年杭州で行われた「雲栖大会」(アリババのテクノロジーの祭典)で、発表されイベントの目玉として注目されたスマートレストランであるが、予想どおり素早いタイミングで実際の店舗で導入され早くもその一号店が開業した。2016年のニューリテール戦略、2017年のスマートレストランといい、この「雲栖大会」で発表されたコンセプトは、アリババが最重要戦略課題として取り組むため導入までのスピードが極めて早いのが特徴だ。

2017アリババ雲栖大会シリーズ 第2回:「スマートレストラン」登場!まるで「食い逃げ」を楽しむ感覚で決済完了。

今回開業した、五芳斋(ウーファンジャイ)インテリジェントレストランには、リンク記事の中にある「デモビデオ」で登場するゼスチャー注文可能なスマートテーブルなどはまだ導入されていない。しかし、第一号店としては十分な完成度であろう。これからますますのアップグレードが予想される。

1月28日に開業したのは、五芳斋(wufangzhai)インテリジェントレストランという名称で、杭州の中心部に近い文三路に面している。レストランのテクノロジーサポートを提供するのは、口碑(koubei)という企業である。口碑(koubei)は、2015年6月にアリババとアントフィナンシャルが30億元ずつ出資するアリババグループの中核企業の一つである。設立後すぐに、もともと生活サービス(レストラン、賃貸、エンタメチケット販売など)のプラットホームとして有名な口碑网(koubeiwang)を買収して統合された。その後、2017年1月に15億USDに及ぶファイナンスを実行し、現在の時価総額80億USDで評価されるポテンシャル高きユニコーン企業として注目を集めている。

口碑のCEOである范驰(fanchi)は、今後はアリババが推し進めるニューリテール戦略と融合し、レストランのスマート化だけでなく、全てのローカルライフに関連するサービスのO2O化、すなわちニューリテール化を推進すると意気込んでいる。口碑(koubei)は、リテールビジネスのテクノロジーのスマート化サポートに注力し、今後は賃貸、エンターテイメント、チケット販売などのあらゆる分野でのアップグレードが進められそうな予感が漂う。

スマートレストランの仕組み

本題に戻り1月28日に開業したスマートレストランの仕組みを紹介しておきたい。スマートレストランの内部には、レストランスペースと無人コンビニスペースがある。

無人コンビニスペースは、24時間対応でありスマート棚のQRコードをスキャンして、スマート棚を開け商品を取り出し、扉を締めれば自動的にアリペイから決済される仕組みである。

レストランスペースは、2つの方法で注文可能である。一つ目の方法は、備え付けの注文機械の画面指示に従い注文を行う。もう一つは、アリペイあるいは口碑(koubei)からアプリをダウンロードし、スマホから注文を行う。

自動注文機械

アプリでQRコードスキャン

アプリを活用した注文

食事を待っている間のARゲーム

オーダーをすると、バックヤードにいるキッチンスタッフが食事を作り、作り終わるとお客さんに準備完了のメッセージが届く。

完成した食事を収納棚から取り出す

キッチンとレストランスペースには、約40食の食事が収納できるど一食ごとの箱があり作り終わった食事はそれぞれ収納箱に格納される。

お客さんは、届けられたメッセージのQRコードを使用して、所定の収納箱をスキャンすれば、自分の食事を取り出すことができるという仕組みである。

無人コンビニ棚

購入するプロセス

現段階では、注文完了から食事が用意されるまで所要時間は5-6分だという。お客さんは、食事を待っている間に壁に備えられたARゲームなどで時間を潰すことが出来、ゲームの得点に応じてクーポンが発行されるなどお客さんを退屈させない遊び心も準備されている。

基本的にホールスタップや、テーブルの片付け係はおらずセルフサービスで行うこととなる。

スマートレストランの無人化による経費削減は年間600万円ほど

今回、スマートレストランの一号店として選ばれたのは、五芳斋(wufangzhai)という粽子(zongzi)という、日本で言えば「ちまき」で有名な食品企業である。

今回のレストランのスマート化を導入する前は、同規模の店舗で約13名のスタッフを配置していたという。今回のスマート化を導入したあとは、キッチンスタッフ5名だけになり一年間で32-35万元(600万円程度)の人件費を削減できるのではないかと試算している。第一号店で成功した後は、上海や杭州などで出店攻勢を仕掛け、オフィス、病院周辺などのコミュニティー地区周辺に出店計画が予定されている。

スマートレストランの真の狙いとは!?

スマートレストラン化という話だけ聞くと、ユーザーに対して「快適さ」や「便利さ」を提供し、レストラン運営側に対しては、無人化による「経費削減」という要素に話題がフォーカスされがちである。

しかし、アリババが狙うスマートレストラン化の本当の狙いはどこにあるのだろうか?アリババが推し進めるビッグデータ社会化を関連して考える必要があるのではないだろうか。

レストラン側は、スマートレストラン化で、データ解析を通じてより深くお客さんのことを理解できるようになるはずである。

お客さんが全ての注文履歴をデータで残すという意味は、レストラン側からすれば、どのお客さんがどういう嗜好で、いつ来店し、いくらくらい消費するかを赤裸々に分析できるということである。こうしたお客さんのビッグデータを解析すれば、効率良い店舗運営が可能となり、どのタイミングでプロモーションするのかなどは朝飯前になるだろう。アリババの戦略は、全てがビッグデータというマジックキーワードで集約されるのである。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後、スマートレストランを始め、リテール分野がビッグデータと融合することによって、どんな進化や変化が起きるのか注意深く見守っていきたい。

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