IOT時代のホテルビジネス アリババが世界最大ホテルグループ「マリオット」と提携しスマートホテルの実験開始。

 日本では今やIOTデバイスやロボットが一般化しつつあり「&AND HOSTEL」などの宿泊施設でもスマートキー「Qrio」などのIOTデバイスを活用したスマートホテルが誕生している。さて、中国でもアリババがマリオットと提携し9月20日に「ウェスティン海南島三亜」でスマートホテルの実験を開始したようだ。

 

  • アリババがマリオットと提携。9月20日「ウェスティン海南島三亜」でスマートホテルの実験スタート。

「未来ホテル2.0」は、アリババが提供する未来のホテル像を提案するプロジェクト名であり、同時にそれを実現するテクノロジープラットホームの名称でもある。実は、アリババは世界最大のホテルグループ「マリオットインターナショナル」と提携しスマートホテルビジネスに参入している。ご存知の通り、マリオットは、一昨年「ウェスティン」と「シェラトン」ブランドを抱える米大手スターウッドホテル&リゾートワールドワイドを買収し、ヒルトンワールドワイドを抜き去り業界一位の座を奪取し、世界NO1のホテル企業である。

アリババ(正確には、旅行会社部門である「飛豚旅行」)とマリオットは、共同で中国国内でのスマートホテル事業運営(未来ホテル2.0)を目指していたが、とうとう9月20日に中国南部のリゾート地である海南島に5つ星ホテル「ウェスティン海南島三亜」をスマートホテル一号店としてオープンさせた。今後は、スマートホテルの実証実験を繰り返しながら、事業を拡大していく方針だという。

 

  • アリババとマリオットが共同開発したスマートホテルのコンセプト

アリババグループの旅行会社部門である「飛豚旅行」とマリオット(中国名称: 万豪国際グループ)が、実験的にオープンした「ウェスティン海南島三亜」を以下にご紹介したい。

ホテルチェックイン、チェックアウトのフロー

1、お客さんは、顔認証の機械でチェックインをする。お客さんは、「アリペイアプリ」もしくは、「飛豚アプリ」(アリババの旅行アプリ)を用いてQRコードをスキャンする。続いて自身のIDカードをスキャンすれば、システムがお客さんの予約記録を照合しチェックイン手続きを行う。芝麻信用が一定のスコアを満たしていれば、デポジットを支払う手続きも省略される。

future hotel face recognition check in

2、自動機械にホテルの部屋番号が提示され、続いて部屋の鍵が用意される。

future hotel face recognition

3、鍵に続いて、6桁の数字からなるコードを受け取る(信用コード)。この番号を提示することで、滞在中ルームサービス、レストランでの食事、バーでの飲食など、全てのサービスを活用できる。

 

4、チェックアウトは、芝麻信用のスコアが基準値を超えていれば、部屋のカードキーを受付の返却ボックスで返却するだけ。従業員による室内の備品の確認やドリンクの確認もなしで、チェックアウトが完了。決済は、6桁のコードにより紐づけられた購買履歴により、チェックアウト時から40分程度でホテルからお客さんに請求書の明細が送付され、問題がなければ二時間程度の後にアリペイから自動的に清算される。

future hotel credit code

以上が一般的なホテルの仕組みである。

(*芝麻信用が基準以下の場合は、チェックインの時にデポジットを支払い、チェックアウト時もレセプションへ行き、チェックアウトを告げた後に、従業員が部屋の確認をする作業を待つことになる。芝麻信用のスコアが低いと、手間が増えるために中国人はこぞって芝麻信用のスコアを高く維持しようとする。)

芝麻信用に関しては、以前の記事で詳しく紹介しているので、関心のある方はご一読ください。

参考記事:【キャッシュレス社会】芝麻信用(読み方はジーマ信用)とは?杭州では信用を使ってお金を節約できる!

 

  • AIスピーカー(天猫精灵TmallGenie)を各部屋に配備。照明操作、カーテン操作も思いのまま

「ウェスティン海南島三亜」では、現時点ではスウィートルームに限定されたサービスとなっているが、AIスピーカー(人工知能を搭載した音声認識システム=(天猫精灵TmallGenie))が各部屋に配備され、宿泊客とのインターラクティブな会話を楽しみながら、室内設備に対する要望、あるいはルームサービスの注文を依頼できるという。

future hotel TmallGenie

具体的には、簡単なところではユーザーが「天猫精灵TmallGenie」に語りかけることによって、天気やホテル内の設備の案内などを会話形式で楽しみながら理解することもできる。室内の電化製品に対する要望、例えば、照明調整や室内エアコンの温度調整、カーテンの開閉、空気清浄調整、テレビや音楽などを自分の好みに応じて要望したりも可能だという。

また、「天猫精灵TmallGenie」を通じてルームサービスを依頼することも可能であり、食事や飲み物、あるいはタオルの交換といったサービスも提供していくれるという。

現段階では、スウィートルームに限定したサービスとなっているが、実証実験を繰り返しながら「ウェスティン海南島三亜」の全部屋に展開し、さらに先には中国国内の10万室に及ぶ客室に「天猫精灵TmallGenie」の仕組みを展開していく計画だという。

 

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後もアリババの興味深い動向について皆様に情報をお届けする予定である。