アリババが人工知能を活用した「ファッションAI」を発表!未来のファッション店舗像か?

7/4 アリババの代表的なテクノロジー開発チーム「図像和美研究団」がイギリス紡績学会と共催し、香港科技大学で「人工知能とファッション学会」を開催。「ファッション AI」とネーミングされた人工知能を活用した最新店舗も登場し、近未来の店舗イメージが見えつつある?

 

アリババが人工知能を活用しファッションリテール店舗の効率化を促進!

7/4総合大学としてグローバル大学ランキングでも毎年上位にランキングされる名門校、香港科技大学(The Hong Kong University of Science and Technology)において、アリババの人工知能関連のテクノロジー開発チームと、イギリス紡績学会が共催する形で、「人工知能とファッション学会」がスタートした。今後、人工知能を活用しファッション業界の発展にどう貢献するかという議論が活発化しそうである。アリババの図像和美研究団は、2009年に設立されたアリババ内に設置された研究所であり、アリババの本業であるEコマース分野において人工知能アルゴリズムを活用した画像検索や、文字認識など、アパレル分野で最も広く使用されているインフラを構築している研究施設である。学会は4日から7日まで開催され、ファッション業界とテクノロジーの融合という視点から活発な議論が行われたという。さらに、同会場には実験的なリテール店舗が登場しその中では人工知能や最新テクノロジーを活用した新しいリテール店舗体験が提供された。

 

ファッション業界における最大の問題は2つに集約される。

今学会で行われたアリババグループ副社長の講演によれば、女性用ファッションのカテゴリーは、タオバオの中でも最大売上比率を誇るという。例えば昨年の独身の日(双十一)の売上では、全体売上の30%以上が女性用ファッションに関連するものだという。

同時に、別の講演で登壇したアリババ「図像和美研究団」開発チーム主任が面白い問題点を指摘している。過去7年間において、アリババのEコマースプラットフォーム(主に女性ファッション分野)に関する根本的なユーザーからのクレームは2つに集約されるという。1つ目はユーザーにとって本当に欲しいアイテムを見つけるのが困難。2つ目はアイテムが豊富すぎてユーザーは混乱するという批判である。何れにせよ、アイテム数が膨大であり、慣れないユーザーがオンラインショッピング疲れしている状況もあるようだ。

アリババの「図像和美研究団」開発チームは、2009年から人工知能によるアルゴリズムを活用し、レコメンダシステム(recommender system)を提供することでユーザーの商品リーチの手助けを行なっているが、現在保有するユーザーに関する膨大なビッグデータ情報量を持ってしても、なかなかユーザーにマッチしたおすすめ商品を提示しきれていないというのも確かなようだ。

そこで、今後はアリババグループが保有する膨大な購買履歴情報をリアル店舗にも活用し、ユーザーがオフラインの分野でも充実した購買体験、便利な試着体験、適切な商品選択体験などができるような仕組みを提供しようというのである。

 

人工知能活用型リテール店舗「ファッションAI」の挑戦! 

さて、今学会で展示されたリテール店舗「ファッションAI」を確認しておきたい。店内を見渡してみると、衣料品展示スペースに試着室があり、見た目はごく普通のアパレル店舗のままである。ところが、随所にテクノロジーが活用されており、新しいファッション体験をすることができる。

(写真提供アリババオフィシャルHP)

最初に店内に入るとき、ユーザーはタオバオID、アリペイID、天猫IDのいずれかを使用してアプリにログインする必要があるようだ。これらのIDを活用してログインすることで、店舗側はユーザーが過去の購入履歴からどういった商品を好んで購入するユーザーなのかを把握できるのである。

店内では、人工知能が過去のユーザーの購入履歴を解析した情報から、ユーザーが好みそうな商品をスマートミラー上で表示してくれる。ユーザーがもしその商品を気に入れば、スマートミラー上でクリックし試着リクエストを行うことで、バックヤードに配置されたスタッフがすぐさま試着室にその服を用意してくれるのだという。ユーザーはスタッフが指定した商品を準備するのを待って、試着室へ移動するだけで良いのである。

(写真提供アリババオフィシャルHP)

(写真提供アリババオフィシャルHP)(写真提供アリババオフィシャルHP)

(写真提供アリババオフィシャルHP)

ユーザーが試着した後で、色変更やサイズ変更などの細かなリスクエストがあれば、これも試着室内のスマートミラーから在庫状況を確認しつつ変更指示を出すだけで、再びスタッフがユーザーのニーズに合わせた服を試着室まで届けてくれるという。購入する服が決まれば、その服にコーディネートされた靴やネックレスなどの小物類も合わせておすすめしてくれるのだという。

(写真提供アリババオフィシャルHP)

もし、最終的にユーザーが購入しないとしても、人工知能が購入する見込みありと判断すれば、その商品情報に関してユーザーのタオバオや天猫のオンライン上で管理され、時として価格の値下げやプロモーションなどが提供されユーザーの購入マインドを刺激して行くのだという。

(写真提供アリババオフィシャルHP)

店内の全ての鏡はスマートミラーが活用されており、ユーザーがハンガーから商品を手に取れば、近くのミラーにその商品の情報が表示される。ブランド、素材、品質、価格、在庫のカラー、サイズなど、店員に商品情報を質問することなく多くの情報を把握することで出来る。ユーザーにとっても快適であるし店舗運営側としても、接客対応が軽減でき運営コストを削減することができる。

さて、人工知能の活用がファッション業界にも徐々に浸透しつつある。スマートミラーの使い勝手については、賛否両論あるが今度どのような形で進化していくかも非常に楽しみである。今後の動向に注目していきたい。

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