【アリババニューリテール戦略の全貌】第4回:アリババが10月に車の自動販売機業務を開始、芝麻信用750スコアのユーザー対しその場で即日車を引き渡し|アリペイ

好評のためもうしばらくアリババのニュリテール戦略についてシリーズ化を継続することにしたい。以前から噂があったアリババの車の自動販売機であるが、昨日プロモーションビデオが公開された。どうやらこれもアリババが目指す「ニューリテール戦略」の一翼を担うようだ。

 

  • アリババの「ニューリテール戦略」の一翼を担う。芝麻信用スコアで即日、自動車ローンを取得し車の鍵をもらえる。なんとも効率的な業務フローだ。

 

最初に、プロモーションビデオを見ていただきたい。実は、シンガポールやアメリカにも車の自動販売機のサービスが始まっているが、アリババが目指す車の自動販売機は、ローンの与信までスマホ1つで行ってしまう優れものだ。アリババの「ニューリテール戦略」の一環として車の販売形態を大きく変更する可能性を秘めている。

アリババが計画する車の自動販売機は、上海のF1サーキット内の施設に設置され広さ800平米、高さ10階建て、加えて無人化による効率的な販売体制を構築するという。無人化により大幅なコスト削減可能で、中国の富裕層に人気が高い高級車やスーパーカーなどを廉価に提供できるという。

tmall car vending machine gif 1

tmall car vending machine 3

tmall car vending machine 2

アリババの車の自動販売機は、ユーザーがスマホで購入する際にユーザーの芝麻信用のスコアを活用する。現時点で入手できる情報によると750点以上のスコアのユーザーを対象として、頭金を10%だけ支払えばその場で車の鍵を得ることが出来るという。

アリババは、芝麻スコアを活用すればユーザーの信用度合いを即座に把握でき購入可能か、可能であるならばどのような支払い条件でローンを供給できるのかの回答を瞬時にスマホで返答することが可能である。

アントフィナンシャルが提供する芝麻信用をベースに、同じくアリババの関連会社である阿里小貸(アーリーシャオタイ)がユーザーの信用状況に合わせてローンを提供する流れとなる。

 

  • アリババが行う車の自動販売機というプラットホーム

実は、中国の車のディーラー資格は、長らく国家規制のものに成立していた規制業種であったが、2017年7月1日からディーラー資格が変更となり、新規業種でも参入可能となっている。しかも、以前は1つのカーディーラーに対して1つの車ブランドしか販売許可されていなかったが、現在は、1つの車販売資格で複数の車ブランドを販売できるようにもなっている。

こうした規制緩和の追い風もあって、アリババが車のディーラーに参入し、それを車の自動販売機というプラットホームの形で実現したのが、10月からの新しいビジネスである。

つまり、このプラットフォームでは複数の自動車会社の車を比較しながら購入できることになる。トヨタのディーラーへ行って、次にホンダのディーラーへ行って比較する手間は一切不要となる。

しかも、従来の中国のカーディーラーは、ローン申請に必要な書類を用意するのが大変煩雑で、車の購入に関して手続きがとても大変であるという不満が多かった。車の購入だけでも収入証明だけでなく、戸籍、不動産保有状況など、全ての必要書類を提出してようやく審査にありつける状況で煩雑であった。こうした煩雑な手続きをスマホを活用して、芝麻信用のスコアで簡易に完了するのだから、若い世代のライフスタイルにマッチするのではないかと想像する。

ちなみに、芝麻信用のスコア750点というのは、通常大都市に戸籍がある人々で、安定的な職業に従事している人ならば大抵はクリアできる数字である。

 

  • アリババの真の狙いは、アリペイを活用したデータの取得

アントフィナンシャルのアリペイと芝麻信用を活用することによって、ローン審査を行い、審査が通れば関連会社の阿里小貸からローンを提供する。

こうした業務フローが完成すれば、車に関してユーザーのキャッシュフローは全て手に取るように把握できるようになる。

アリババの狙いは、車の自動販売機で購入するユーザーには、アリペイでの支払いに限定することでキャッシュフローを把握することであると思われる。アリババは、個人のデータを活用し分析して、新しいビジネスを生み出すことに実に長けている。

このプラットホームには、すでに世界の多くの自動車会社が興味を示しており、このプラットホームで販売する計画を立てている。10月にはまずランドローバーのMini Cooperのニューモデルが先陣をきって販売を開始するようである。

従来型のカーディーラー業界は、いわゆる伝統的なオフライン市場。そうしたユーザーが、アリババが提唱する「ニューリテール戦略」のもと、どんどんと新しく生み出されるオンライン市場へ引き込まれていく。オフライン市場がアリババのテクノロジーでオンラインの世界へ引き込まれる。この流れはまだ始まったばかりであるが、大きな存在感を示し始めている。

 

Glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後もニューリテール戦略について継続的に動向をウォッチしていくつもりである。

参考記事:

【キャッシュレス社会】芝麻信用(読み方はジーマ信用)とは?杭州では信用を使ってお金を節約できる!

【アリババニューリテール戦略の全貌】第1回:オンラインとオフラインの融合、これぞ新しい小売「O2Oの最先端」だ。

【アリババニューリテール戦略の全貌】第2回:新しいショッピングモール「More Mall(猫茂)」2018年4月開業

【アリババニューリテール戦略の全貌】第3回:盒馬鲜生(ファーマーションシェン)は4つの複合体O2Oスーパーマーケット|アリババ