本田がセンスタイム(Sensetime)と自動運転分野で提携。中国のAI画像認証技術をリードするトップ5企業のまとめ

12月7日、本田が中国のセンスタイム社と自動運転分野で今後5年間の共同開発を発表した。実は中国ではAIを活用した画像認証分野の技術競争が激化している。ユニコーンであるセンスタイムとMegvii(Face++)の2社を含め、AI画像認証技術をリードする中国企業トップ5をまとめておきたい。

 

ディープラーニングを活用したAI画像認識技術分野での激しい資金調達競争

ディープラーニングを活用した画像認証技術が、次世代のテクノロジーの進化において極めて重要な役割を担うことは、ほぼ間違い無いと言って良いだろう。

当サイトでは、以前から高度な顔認証技術を有するMegvii社やシンガポールのリーシェンロン首相が訪問したSensetime社などに注目し、この分野の動向を注目している。今回、本田の子会社である本田技研研究所がセンスタイム(Sensetime)社と5年間に及ぶ技術提携契約をしたが、自動運転の根幹となる画像認識の分野で中国企業のSensetimeを技術パートナーとして選択した形となる。大変興味深いニュースである。

ここに来て中国のAI画像認証企業の資金調達競争が激化している。2017年10月30日には、Megvii社はCラウンドで4.6億USD規模(日本円で約520億円)となる巨大資金調達に成功した。これは、2017年7月に競合であるSensetime社がBラウンドとして行なった4.11億USD規模(日本円で約465億円)の資金調達を上回り、現段階では人工知能分野での最高資金調達額を記録するものである。

ちなみに、今回のMegvii社の資金調達では、リードキャピタルとしてアリババグループのアントフィナンシャルが名前を連ね、Megvii社とアリババグループの今後のビジネス展開を予期させるものとなった。今後はMegvii社は人工知能を活用した画像認証の分野でアリババグループの支援を受け、大本命として成長を加速していくのであろうか。

以下に、当サイトが選別するディープラーニングを活用した中国の画像認証企業トップ5を列挙してご紹介したい。

 

1、Megvii (Face++ 旷视科技) 北京

Megvii社については、当サイトでも2度ほど記事にしている。中国のユニコーンライキングでも37位にランキングされ人工知能を活用した画像認証テクノロジーの分野では1位にランキングされる企業である。現段階ですでに約2000億円超の時価総額規模となる巨大ユニコーン企業である。

2011年の創業であり、創業者の印奇(Yinqi)は2016年版Forbes誌が選ぶ30歳以下の世界リーダーランキングで堂々の1位にランキングされた経営者である。高校2年時に中国No1である清華大学から飛び級での入学許可証を得ており、卒業後に渡米しコロンビア大学で修士号、ハーバード博士課程中退しすぐに中国へ戻りMegviiを企業している。

2012年9月に顔認証オープンプラットホームである「Face++」をリリースし、現在では開発者向けに、顔認証、画像分析で一日2600万件のデータのアクセスを誇るサイトとなっている。

彼らのサービスは、金融機関セキュリティー、都市セキュリティー、AR技術、IOT, 工業用ロボット分野など広範に応用されている。

参考記事1:中国ユニコーンランキングリスト(China money networkより)

参考記事2:顔認証システム 爆発的普及の予感、中国農業銀行は全支店のATMへ顔認証を導入、中国は人気エンタメ番組を活用して顔認証の普及を促進!

参考記事3:フェースリコグニション(顔認識)技術の最前線、ターミネーターの世界が既に現実にもとに!|megvii 

 

2、SenseTime(商湯科技)北京

設立は、2014年とMegviiよりも後発である。現在、MegviiとSensetimeが中国の人工知能を活用した画像認証分野で本命視される巨大ユニコーン2社である。

創業者である湯暁鷗(tangxiaoou)も、Megviiの創業者である印奇(Yinqi)と共に、注目を集める経営者であり、シンガポールの首相であるリーシェンロンや、香港特別行政区最高経営責任者キャリー・ラム(Carrie Lam)などがSensetime社を訪問するほど技術的な注目を集めている。

Sensetimeのテクノロジーを支える中核チームは、ディープラーニングの分野で著名な18名の教授に加え、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、北京大学、清華大学などの有名大学の博士約120人が含まれているスーパー頭脳集団で構成されている。グーグル、百度、マイクロソフトなどでディープラーニングを研究していた研究者も数多く含まれているという。

得意とするテクノロジー分野としては、顔認識、危険物識別、行為検知、車両検出などのセキュリティ監視システムである。技術を応用した業務領域は、金融、インターネット通信セキュリティー、安全監視などの業務に力を注いでいる。

参考記事:リー・シェンロン首相が訪中。習近平国家主席と会談、 ユニコーン企業であるSensetime(商湯科技)社を視察

 

3、YITUTECH(依图科技 ) 上海

ここから先は、MegviiとSensetimeと比較するとまだ規模は小さいが、優秀なチーム構成と高度なテクノロジーで注目を集めるユニコーン予備軍である。簡略に説明することにする。

創立は2012年。創業者の朱は、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で、統計学の博士号を取得しており、依图科技に中心チームはGoogleやアリババの出身者も多いという。

画像認証技術を得意としており、中国の公安システムと連携して、走行する自動車の車両認識を得意としている。車両のブランドやモデルなどを認識する分野では業界一との評価も高い。また、逃走する犯人の追跡や監視などのテクノロジーも優れ、現在は20都市を超える地区で公安システムと連動する形で防犯や治安の維持に活用されている。

 

4、CLOUDWALK(云从科技 )広州

2015年4月に設立された新しい企業であるが、広州の地方政府から20億元(日本円で約340億円)の資金支援を受けており行政との連携で急速に成長している企業である。

創業者は周氏、主要な技術チームは中国科学院の重慶分院から集結しており、重慶、成都、上海を中心に開発を行ない、現在はアメリカのシリコンバレーでの研究室も拡張している。

科学技術チーム300名のうち80%以上が関連する博士号を取得した精鋭で構成されている。業務範囲としては、金融機関や公安、空港施設などに強みを発揮している。民間の空港分野では約8割の空港でこの企業の製品が活用されているという。

 

5、DeepGlint(格林深瞳)北京

2013年4月設立の動画のビッグデータサービスを提供する企業である。創業者は趙勇、前職はGoogle本社での研究員でありアンドロイドOS内の画像処理アーキテクトデザインやGoogleグラス分野の研究で優秀な成果をおさめていたという。

DeepGlintが提供するサービスは、大容量ビデオを構造化して配備する動画プラットホームサービスで、このプラットホームを活用すると、自動車の追跡や、カーナンバーの探知などに力を発揮するという。公安と連携した防犯、治安維持のサービスを提供している。また3Dを活用した人々の行動解析の分野にも強みを発揮している。

以上のように、中国では近年ディープラーニングを活用した画像認証企業の存在感が急速に高まってきている。MegviiとSensetimeの時価総額は既に2000億円規模に達し、巨大なユニコーンとなっている。Glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としても今後の動向に注目していきたい。