WeChatから皮膚疾患診断?人工知能皮膚疾患診断プラットフォーム「スマートスキン」!

WeChatアプリを活用した人工知能による皮膚疾患診断アプリ登場。プラットフォームに患部写真をアップすると人工知能を活用した画像認証システムにより皮膚疾患判定の手助けを行う。人工知能が医療分野に浸透し医療プロセスが改善されつつある。

皮膚疾患診察のための人工知能プラットフォーム「スマートスキン」とは?

皮膚がおかしいなと感じたらWeChatアプリを開けて患部をスキャンして写真を送るだけで、人工知能が初診してくれるプラットフォームが誕生した。医療分野と人工知能によるディープラーニングが相性良いことは従前から指摘されていたが、中国で早くも皮膚疾患の分野で実用化が始まりつつある。

近未来的な医療診断フローに挑戦し、既にプラットフォーム「スマートスキン」を立ち上げてしまったのは杭州に拠点を置くスタートアップ企業2社である。

多数の医療機関の情報を保有し医療情報提供業務を行う「丁香園」(ディンシャンユエン)と人工知能開発企業である「叡斯軟件」(ルイスーソフト)が共同してコプラットフォームを構築した。そこに医療データ提供者として中南大学湘雅二医院が協力し完成したのが「スマートスキン」プロジェクトなのである。

医療知識のシェアサイトを運営する丁香園(ディンシャンユエン)

丁香園(ディンシャンユエン)は、2000 年7月に創業された企業で医療知識シェアサイトを運営し400万人のユーザーを抱えている。創業者の李天天(リーティエンティエン)は、創業前は自らが医者として医療行為を行うなかで、中国国内において一般人が共有できる正確な医療知識が少ないと問題意識を抱えていた人物だ。そこで、自らが医療知識のシェアサイトを立ち上げ、正確な医療情報配信を行ったところユーザーの信頼を獲得し現在は医療情報分野では中国No1サイトの地位を占めている。2018年4月にはDラウンドの資金調達で1億USDの資金調達を実行し、今度のビジネス拡大が期待されるステージにある企業である。

叡斯軟件(ルイスーソフト)は、ディープラーニングを得意とする人工知能企業

一方の叡斯軟件(ルイスーソフト)は、人工知能によるディープラーニング分野を得意とする企業である。中南大学湘雅二医院などから提供される医療データを元に正確な皮膚疾患の診断ができるようディープラーニングによるデータ解析作業を進めているのである。

2017年5月の段階では、スマートスキンは単一の特定皮膚疾患にターゲットを絞ってのテストが繰り返されていた。最初に選択された皮膚疾患は特定疾患(難病)にも指定されている「全身性エリテマトーデス」(全身性紅斑性狼瘡、英語では Systemic lupus erythematosus)という病気で、皮膚に出来る発疹が狼に噛まれた痕のような赤い紅斑ということから、別名「全身性紅斑性狼瘡」とも呼ばれている。初期診断が非常に困難な皮膚疾患であり人工知能を活用し効率化できないものかと挑戦したのである。

多くの例証写真と医師の意見を人工知能がディープラーニングすることで、判定の精度が85%を超えるまで高められたという。ディープラーニングを行うプロセスの中で症例画像だけでなくその分野で著名な医師の症例に対する見解をも同時にディープラーニングさせることによって診断の精度を高めることが実現したという。

「全身性エリテマトーデス」事例の成功の後で、対象となる皮膚疾患の分野を広げ60万以上の皮膚疾患画像を一年以上の期間にわたり人工知能でディープラーニング解析させることで、現在では100種類に及ぶ皮膚疾患を判別できるようになったという。そのうちの85種類の皮膚疾患では、86%台に及ぶ診断率を誇るまで精度が高められており、今後も協力する医療機関からの医療データを人工知能によりディープラーニングさせることで、診断結果の精度をより高めていく予定だという。

WeChatアプリをダウンロード!現段階では個人ユーザーは対象外!

当サイトでも早速アプリをダウンロードして気になる皮膚の部分を問診してもらおうと試みた。アプリのダウンロードはできたものの、診察は受けられなかった。どうやらこのプラットフォームは、医療機関や特定薬局など専門家が医療判断補助ツールとして使用することを前提として設計されており、医療資格のない一般人は現段階では使用することが出来ないようだ。

 

参考写真「WeChatからダウンロードしたアプリ画像」

冷静に考えれば、現段階では誤診が発生した場合の責任の所在など、医療行為を行うことに対する法的な問題などクリアするべき様々な問題があり、一般人が使用できないのは当然であろう。

先日行われた開発に携わった上記3者による「スマートスキン」発表会での内容を見ると、今後さらに浙江大学第一病院、第二病院、杭州市第三医院などの医療機関との連携を深め、皮膚疾患に関するデータ提供を受け、高度医療機関との共同研究を進め、より精度の高い人工知能診察プラットフォームを目指していくという。

将来は一般人がこうしたプラットフォームを活用して、人工知能による診断を受けることができることになる時代が到来するのかもしれない。そうなれば、非効率とされている病名把握のための初期診察プロセスが一気に効率化する可能性がある。人工知能があらゆる業界へ具体的に浸透しつつあり、社会の様子が様変わりする気配である。今後も有益な導入事例を皆様にお届けして行きたい。