【2019雲栖大会(The Apsara Computing Conference)】探訪記① NPU AIチップ「HanGuang800(含光800)」がリリース!

9/25-27の3日間、杭州雲栖小鎮においてアリババのテクノロジー祭典「雲栖大会2019」が開催中である。今年から大会英文名が従来のThe Computing Conferenceからアリババクラウドのスーパーコンピューティングエンジン名を冠した「The Apsara Conference」に変更され、アリババグループのバックボーンとも言えるクラウド事業を大会の中核に据え、テクノロジー色の強いイベントとなった。

 

ジャック・マー不在の「雲栖大会2019」!ジャック・マーはもういない!

大会初日に強く実感したのは、ジャック・マーが本当にアリババから退任したという事実である。

雲栖大会と言われ最初に思い浮かぶのは、大会初日の恒例であるアリババ主要メンバーたちのスピーチである。例年スピーチの大トリにはジャック・マーが登壇し、会場のボルテージが高まると同時に、毎年のビックリリースに人々は注目した。今では伝説となったニュー・リテール(新しい小売)誕生スピーチも、2016年の雲栖小鎮での有名なワンシーンである。

参考記事:

【アリババニューリテール戦略の全貌】第1回:オンラインとオフラインの融合、これぞ新しい小売「O2Oの最先端」だ。

長年にわたり雲栖小鎮のイベントを追いかけてきた当サイト(GloTechTrends)としては、今大会にもジャック・マーがサプライズで登場するのではないかと淡い期待をしていた。しかし、ジャック・マーは本当に会場に訪れず、アリババからジャック・マーが引退したという事実を強く実感することとなった。

 

人工知能向けNPU型AIチップ「HanGuang 800(含光800)」をリリース!

さて、今年の雲栖大会初日セッションで、ひときわ注目を集めたのは、アリババが独自開発に成功したNPU高性能AIチップ「HanGuang 800(含光800)」のリリースである。人工知能向けのチップと言えばGPUが有名だが、アリババが開発したNPU(ニューラル・ネットワーク・プロセッシングユニット)と呼ばれる人工知能向けの処理専用チップを活用することで、画像解析や映像解析などを反復するディープラーニング分野で抜群の処理スピードと消費電力の低減を実現できるのだと言う。会場で示された製品使用検証データでは、他社製GPUと比較し、圧倒的な性能的優位な数値を示された。

アリババは、一年ほど前から「DAMOアカデミー(达摩院)」やAIチップ開発子会社ピンドゥガー(平頭哥)を中心に人工知能向けNPUチップの開発を進めていたが、いよいよNPU高性能AIチップ「HanGuang 800(含光800)」の開発に成功したことになる。これによって、アリババエコシステムの重要パーツとも言えるAIチップを自社製でまかなえるようになったことを意味する。既に「HanGuang 800(含光800)」はアリババのEC事業における検索、レコメンデーション機能、カスタマーサービス分野などで活用されているという。今後の応用範囲の拡大が楽しみなところである。

参考記事:

アリババの「DAMOアカデミー(达摩院)」が人工知能向け半導体チップ「NPU」開発発表

 

アリババグループ最高技術責任者(CTO)兼アリババクラウドCEO
張建鋒(Jeff Zhang)のコメント


「『HanGuang 800』の発表は、次世代テクノロジー開発における布石となり、エネルギー効率の向上とコンピューティング能力を大幅に高めることによって、我々の既存事業だけでなく、新規事業の発展を促していくでしょう。近い将来、我々のクラウド事業を通して、クライアントの皆様がチップを搭載した高度なコンピューティングにいつでもどこでもアクセスすることを可能にすることでビジネスの活性化をサポートします。」

2019年雲栖大会(The Apsara Computing Conference)は、例年の雲栖大会と比較するとやや大人しいイベント構成となった印象は残る。しかしながら、ジャック・マー引退後のアリババの方向性を示すという意味では、アリババ経済圏の中核にアリババクラウドのインテリジェンステクノロジーを据え、アリババ経済圏全体の底上げを目指す姿勢はあらゆるセッションから伝わるメッセージ性の強い雲栖大会(The Apsara Computing Conference)の構成となっているように思える。

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