2017年の中国巨大IT企業(BAT3社)のベンチャー投資状況まとめ各論編第2回 アリババ(アントフィナンシャル含む)

中国巨大IT企業ベンチャー投資状況のまとめ第3回。アリババのベンチャー投資を分析したい。2017年アリババが投資したのは45社とテンセントの半分以下ではあるがニューリテール分野やEコマース、金融など重点分野が明確な投資となっている。

 

2017年アリババ(アントフィナンシャル含む)が投資した企業一覧 

2017年におけるアリババ(アントフィナンシャルを含む)のベンチャー投資状況をまとめておきたい。GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)は、過去にも、BAT3社ベンチャー投資状況のまとめ記事を掲載しているので、関心のある方はご参照いただければ幸いである。

【参考記事1】:2017年の中国巨大IT企業(BAT3社)のベンチャー投資状況まとめ総論編

【参考記事2】:2017年の中国巨大IT企業(BAT3社)のベンチャー投資状況 まとめ各論編第1回【テンセント】

以下のリストが、アリババが2017年に投資を実行したスタートアップ企業一覧である。2017は合計45社に対して投資を実行している。

アリババ投資企業一覧(アントフィナンシャル含む)2017年

 

アリババが最重点投資した分野は「ニューリテール」

アリババは、テンセントが2017年に113社に投資していることと比較すれば、半数以下の投資しか実行していない。しかし、アリババの投資は1社に対する投資金額が大きく日本円換算しても数百億円から数千億円に及ぶ大型出資案件が多いことが特徴である。

現在アリババは、5つの新産業「Five New」を中心に事業の拡大に注力しており、ベンチャー投資もその戦略に即した投資状況となっている。5つの新産業(Five New)とはニューリテール(新しい小売)ニューマニュファクチャー(新しい製造業)ニューファイナンス(新しい金融)ニューエネルギー(新しいエネルギー)ニューテクノロジー(新しいテクノロジー)の5つである。

とりわけ、ニューリテール分野への投資は8社と際立っており、198億HKDを投じた銀泰商業など、既にアリババのニューリテール戦略の中核として重要な役割を担っている。

 

東南アジア、インド市場へのEコマースプラットホーマーへの出資

アリババの本業であるEコマース分野での投資も注目に値するものとなっている。アリババは、2016年4月に東南アジア最大のEコマースプラットホーマーであるLAZADAを買収し経営権を取得しているが、2017年6月にさらに10億USDを追加出資しビジネス展開を強化している。

それ以外にも、2017年3月インドのPaytmEコマースに2億USD を出資、さらに2017年8月インドネシア最大のオンラインパーケットプレイスであるトコペディアに11億USDを出資するなど、本業であるEコマース分野の海外投資も旺盛である。

 

金融分野にはグループ企業であるアントフィナンシャルから投資

アリババ関連の投資で、注目すべき点はアントフィナンシャルを通じた金融分野への海外投資であろう。2017年にも2月にフィリピンMyntへの投資、同じく二月に韓国のKaKaoPayへの投資などが実行されている。アントフィナンシャルを通じて、アリペイ決済などの金融事業を海外へ展開しくことを最終的な目的としていると思われる。2017年1月に発表されたアメリカのMoneyGram買収に関しては、アメリカ当局の承認が得られず現段階では断念した形となっているようであるが、2017年もアントフィナンシャルを通じた積極的な海外での金融分野への投資は旺盛であった。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後もスタートアップ投資に注目していく予定である。