【自動配達の到来】 第1回 Amazonの特許から見える未来の自動配達の姿

ドローンが空中から宅配荷物を届けてくれる!自動運転車が荷物を運んで届けてくれる!近い将来、完全自動配達時代へ移行し、配達員の仕事はなくなってしまうのか?

空中に浮かんだ飛行機型の巨大倉庫からドローンが飛来し、我が家に荷物が届けられるかもしれない。これは、ごく近い未来、10年後いや5年後に実現してしまうかもしれない話である。

各国で行われている無人ロジスティックスの実験や実演をみていると、私たちの想像をはるかに超えた現実が、かなり近い将来に現実のものとなる可能性が高い。

そこで、GlotechTrendsでは全世界で繰り広げられている自動配達へ向けた取り組みを追いかけながら、継続的にシリーズ物としてレポートしていくことにしたい。

 

1、Amazon 高層タワー型の巨大倉庫からドローンが 飛来!

こんな話を聞くと、SF映画の世界かと思うかもしれない。だが、映画の話ではなく、2017年6月25日に公開されたAmazonの特許文書から読み取れるAmazonが具体的に描いているビジネスモデルである。

アマゾンは、我々の想像をはるかに超越した理想を抱きながら自動配達システムの構築を進めていることがわかる。特許を眺めてみると、このタワー型倉庫は人口密集地域で建設されるように設計されている。ドローンのフライト時間を短縮するには従来と異なり中心部に倉庫が必要であり、顧客へすばやく商品を届けるために考えつくされている。

タワーの内部は、貨物の積み込みに便利なように極力無駄のないよう設計され、さまざまな機能がセンサーに対応できるように合理的に設計されている。ドローンの修理工場も併設されており、ドローンロジスティックに関する全てがこのタワー一つで完結できる仕組みである。

 

2、現段階でのドローン輸送の問題点とAmazonによる改善。

Amazonは、イギリスのケンブリッジにある「Premier Air」実験場でドローン専門の自動配達実験が繰り返されている。すでに最短では注文からわずか13分でデリバリーを完了したという報告もあり、注文から30分以内での配達完了という驚異の物流システムの構築を目指し、順調に開発が進んでいるようである。

現時点では、残念ながらドローンが長期飛行に耐えられないというバッテリー上の問題と悪天候の時に安定飛行できないというドローン本体の問題に直面し、どう解決するか大きな課題となっている。

ドローンを活用した自動配達を実現するというAmazonの意思はとても強く、バッテリーの問題に関しては、道路にある街路灯の上部にドローン向けに充電する場所を設置して、充電ポイントとする実験も行われている。これもAmazonが有する独自特許である。

また、悪天候に対しては、ドローンが4機まとめて飛行するような仕組みを作り上げ、悪天候に対しての対抗性を強めるような実験も行い、問題解決に全力で取り組んでいるようである。ドローンを複数台連結させて同じ軌道で飛行させることにより、より重いものを運ぶことができるという。

 

3、中国の無人ロジスティックへの取り組み

アリババにつぐ中国第2位のECプラットフォームを運営する京東商城(JingDong)では、すでに自動運転車を活用した、自動配達サービスをスタートさせている。

この自動配達車が、配達先の最後の1.5KMの配達を担う仕組みだ。

社長である劉強東氏によると、これからの5〜8年間で、京東商城は、完全自動配達を実現すると語っている。現在、京東商城が使用している無人配達車は、1台約5万元程度製造コストに抑えられており、経費削減にも役立っている。また、中国の古い住宅に多くみたれる、エレベーターのない住宅に対して、自動階段昇降マシンにより、玄関までの自動配達ロボットの開発も進め、宅配ボックまでのもう一歩先の住宅の玄関までという完全自動配達の実現に向けて動いている。

また、アリババでも2016年9月から、アリババの社内での従業員向けの配達用に、「菜鳥小G」という自動配達ロボットを導入し自動配達実験を繰り返している。このロボットは、GPSを使って受取人までの最短ルートを検索し、エレベーターへの乗り降りも行える。しかも、エレベータが混雑しているときなどは、センサーでそれを察知し人間にように見送り、次のエレベーターを待つことも可能だという。アリババ社内での稼働実験の段階を終え、今年からに一般道に出て商用化に向けた実験の段階へと突入する。

 

4、ロボネコヤマト クロネコヤマトとDenaの共同事業 日本 2017年4月

日本では、クロネコヤマトが、Deneと共同で自動配達プロジェクトの一貫として、2017年4月から「ロボネコヤマト」プロジェクトを開始している。国家戦略特区である神奈川県藤沢市で、「新しい荷物の受け取り方」をテーマに「ロボネコデリバリー」と「ロボネコストア」とうふたつのサービスの実験を行なっている。

「ロボネコデリバリー」は、10分刻みで荷物の到着時間を指定でき、指定エリア内であれば、自動配達車が荷物を届けてくれる仕組みである。到着直前に受取人のスマートフォンに通知が届き、受取人は到着後に車内に配置された宅配ボックスに二次元コードを入力することで荷物を取り出し、受け取ることができる。

また、「ロボネコストア」は、対象地区内に配置された店舗からインターネットを通じて商品を購入すると、荷物を指定場所まで届けてくれるサービスである。場所の他に、時刻も指定でき、冷凍品などの輸送にも対応可能だという。

 

5、無人ロジスティックのインパクト 配達員の仕事はなくなるのか?

以上のように、各国で自動配達社会の実現に向けて、様々な実験および実用化が繰り広げられている。

人工知能が凄まじい勢いで発展し、社会の仕組みが劇的に変化しているのである。完全自動配達が実現した社会では、従来それに従事していた人々の仕事はどうなるのだろうか。社会の仕組みが根本的に代わり、従来の労働者の全てが自動配達機械に置き換えられてしまう可能性も考えておく必要がありそうだ。

GloTechTrendsとしては、【特集記事、自動配達時代の到来】として、シリーズ物として、自動配達社会への変化を継続的にウォッチしていくことにしたい。