【無人コンビニ時代の到来】第2回 世界中で技術競争 BINGOBOX/中国編

1、上海でオープンした無人コンビニ BINGO BOX

 

第一回では、アリババのジャックマーが描く未来図的な話にファーカスした。第二回は、実際に既に稼働している無人コンビニに注目して、現時点でどこまで実現化されているかを確認してみたい。

もっとも現実的にうまく稼働している無人コンビニとして紹介しなければならないのは、中国の広東省中山市で2016年8月から営業をスタートさせ、2017年6月から上海に登場した無人コンビニ「BINGO BOX」であろう。 場所は、楊浦地区の青山スーパーマーケット長陽路店の裏手である。運営元は、中山市賓哥網絡科技であり、名前がBOXというだけあって、実はコンテナーをベースに作られた移動可能な可動式店舗である。

約15平方メートルのかなり小さな店舗で24時間営業、店内にレジ係はいないばかりか、店内に店員もいないので、商品をついて尋ねることもできない。そのため、普通のコンビニと違い店員が店内を防犯確認することもできないため、通常の状態では入口のドアは閉められているというとても面白い発想だ。

 

2、BINGO BOX 出入店の仕組みと経費削減効果

 お客さんが、買い物をしたい場合は、まずはじめにwechatを使ってBINGOBOXのオフィシャルアカウントをフォローし、SNSでコードを入手し 本人確認作業を完了しておく必要がある。その上で、スマートフォンで入口にあるQRコードをタッチするとドアが開き、店内に入れる仕組みになっている。店内に入るとすぐに入口のドアはまた施業され閉じ込められた形になるが、防犯上このような仕組みになっている。ちょっと薄気味悪い感じではあるが、盗難防止という意味では納得感のある作りである。

 店に入ると、店内は15平米と狭いが、商品はところせましと並んでいるが、商品について聞きたいときに声をかける店員もいない。文字通り完全無人店舗である。商品は、店舗が狭いだけあって、日常用品をはじめ、緊急に必要となる傘、化粧品、洗面道具、生理用品などに集中されている感じがあるがお菓子屋や飲み物も当然配置されている。

 店舗の無人化を実現することによって通常上海では6000元/一人月ほどかかる人件費の削減に成功し、通常の上海の有人コンビニエンスストアと比較して、販売価格がた20%〜30%安く抑えらてているという。例えば、ポテトチップス一般的なコンビニエンスストアの価格は7元。ここでは5元  同じく他店では7.6元のボトル入りジュースがここでは5.6元といった具合である。

 

3、BINGO BOX  Alipay wechatpayでの会計と防犯

次に支払いのプロセスを確認したい。現段階では各製品に直接貼り付けられた電子タグを使って、お客さんが

入り口付近のあるキャッシャーで、商品をスキャンして、合計金額を計算する仕組みである。お客さんが商品に貼り付けられた電子タグをスキャンすると、購入した商品の名前と金額が画面に表示され総額が計算される。そしてスマートフォンを使って、 現金でなく現金でなくWeChat payあるいは Alipayで支払うというのは、キャッシュレス化がすすんでいる中国ではもはや常識である。

現段階では、一度に5点までしか買い物できず、6点以上購入する場合は支払いプロセスを二度繰り返す必要があるという。無事に支払いが終了して、問題がなければ、ロックされた自動ドアが自動的に解錠され外に出ることができる。もし、お客さんの支払いでエラーが探知されると、ドアは解錠されないばかりか、盗難防止システムが顔認証技術と連携してお客さんの顔画像と、事前にユーザー登録した実名データをつかって、監視チームが追跡を始める。おかしなことをして、Wechatpayやalipayの信用に傷が付き、二度と電子決済機能が使えなくなるリスクを考えると、万引きなど出来心でできるはずもなく、防犯的な機能を十分に果たしていると考えられる。

また、お客さんに緊急な問題が発生した場合には、レジ付近にあるコールボタンを押すことによって、センターで待機しているスタッフと会話がすることが可能である。また、お客さんが何もかわない場合は、それ用のセンサーがあり、スマートフォンをセンサーにかざすことによって、買い物せずに退店もできる。

 

4、無人コンビニの可能性

現段階では、技術的に言えば、第一回で述べた「タオカフェ」「Take Go」が描く、カメラやセンサーとAIを応用させた完全無人コンビニには見劣りはするものの、BINGO BOXが既に一年程度の実験段階を通過して、とくに大きな問題もなく実店舗運営をしている点は、注目にあたいするものがある。

実は、上海のBINGO BOX 、ここ最近の7月の情報によると営業を一時的に停止しているという。企業側は、技術的な理由が発生したため、一時的に休業しているとアナウンスするだけで、詳細は明らかにされていないが、閉店直前に訪れたお客さんの話によると、真夏の上海の暑さで、ガラス張りの店内は四十度以上まで上昇しており、チョコレートやドーナツは溶けており、サウナのような状態だったという。ここ最近では、上海の気温が35度を超えており、コンテナを改造した店舗構造なため、気温に耐えられない店内設計であった可能性が高い。無人コンビニの根幹技術とは直接関係のない暑さという理由で、一時閉店に追い込まれるとは、なんとももったいない話である。